アベンジャーズ・プライム 感想
マーベル・マスト・リードの最新翻訳「アベンジャーズ・プライム」が届いたので読みました!
概要
今、マーベルの邦訳本を買おうと思ったら十中八九の人がスタート地点にする「ニュー・アベンジャーズ:ブレイクアウト」。ブレイクアウトから始まる物語は「シージ」を持って完結します。しかし、それまでにアベンジャーズ…ひいてはマーベル・ユニバースの面々には様々な試練が立ち塞がります。ミュータントの総人口が減少したり、シビル・ウォーの果てにキャプテン・アメリカが死亡したり、スクラルの静かなる侵攻「シークレット・インベージョン」の果てに始まったダーク・アベンジャーズの台頭…それはまさしくヒーローたちにとっては暗黒の時代でした。そして実は、これらのストーリーでアベンジャーズの大黒柱である3人キャプテン・アメリカ、アイアンマン、ソーが共に手を取り合ったのは最後の最後、シージの時のみでした。それほどまでにニュー・アベンジャーズのシリーズはヒーローたちが物理的、心理的にバラバラな作品だったのです。そしてシージで遂に手を取り合った3人は、ダーク・アベンジャーズのリーダーであるアイアン・パトリオットことノーマン・オズボーンを倒し、アスガルドの落下の犠牲と共に世界に平和を取り戻しました。
長きにわたった決裂の終焉
今作で描かれるのはそんなシージの終結とキャプテン・アメリカがヒーローチームを再編成するまでの間の出来事。コミックスとしての「シージ」では終結の次のページから直ぐにチームの再編成、ヒーローの和解が描かれていますが実はそう簡単じゃなかったっていう部分の出来事です。簡単に言えば
「Marvel Unlimitedより引用」
これが
「Marvel Unlimitedより引用」
こうなって
「Marvel Unlimitedより引用」
こうなるまでのストーリー。
ストーリーとしてはオクラホマで浮いてたアスガルドが落下、瓦礫の撤去中にヨトゥンヘイムにぶっ飛ばされた3人がそれぞれ仲間の元に集まり、黄泉の剣「エターナル・ソード」を手にした死の女神ヘラと戦うというもの。なので本当にヒーローはこの3人だけです。さらに言ってしまえばキャップはこの時点で「キャプテン・アメリカ」ではなく「スティーブ・ロジャース」ですし、アイアンマンはシージ直後のため古いアーマーかつぶっ飛ばされた直後に機能停止、リパルサーレイが撃てる程度の機能しかありません。なので2人ともそこらの剣とか盾で戦います。だから本作は本当にヒーローの物語というよりは、スティーブと、トニーと、ソーの物語なのです。でもやっぱりこの3人がいると何かいいんですよね。グッとくるというか。
また後半にはニューアベンジャーズから始まるシリーズに欠かせない人物セントリーの葬儀を描いたストーリーも収録しており、真に「マーベル・ナウ!」へ入る準備が出来たと感じる事が出来る構成になっているのも嬉しいです。
正義の盾を手に
「キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー」(原題 Captain America The Winter Soldier) 主演 クリス・エヴァンス
あらすじ
ニューヨークの戦いから2年後。突如としてキャプテン・アメリカを容疑者として追い回し始めるS.H.I.E.L.D.。原因はS.H.I.E.L.D.に長年潜み続けてきた悪の組織ヒドラが動き出したからだった。追手にはウィンター・ソルジャーこと戦時中共に活動した親友バッキーが。キャプテン・アメリカの新たな戦いが…はじまる。
魅力全開。これがキャプテン・アメリカだ!
「キャプテン・アメリカ ファースト・アベンジャー」「アベンジャーズ」でパッとしなかったキャプテン・アメリカ、アメリカ本国やアメコミを知ってる人からすればパッとしていないなんてイメージは無いのですが日本に限れば上述した2作品はパッとしなかったといっても過言では無いでしょう。なんなら「アベンジャーズ」ではいらないやつなんて思われたかも知れません。しかしそんなキャプテン・アメリカをめちゃくちゃカッコいいヒーローに押し上げたのが今作です。
正直ダサかったコスチュームは実写に即したクールなデザインになり
戦闘もエレベーター戦のアツさや戦闘機落とし、なんなら冒頭のバトロック戦から魅了されるほどの面白さを持っています。そして「キャプテンすげー!カッコいい!」と言わざるを得なくなるのです!アイアンマンのように見た目の派手さはなかったキャプテンですが、今作で一気に見栄えが良くなりました。
新たな仲間、サイドキックといえば…
そしてもう1人、今作から登場し、活躍の場面がどんどん増えることになるファルコンもキャップと同じく現実に即したクールなデザインを身に纏い登場し大活躍してくれます。
まぁコミックスは最近はこのカッコじゃ無いですが。
このファルコンが追加されたことにより戦闘の舞台に空中が追加、キャプテンの活躍の幅が広がりました。ファルコンを呼んで掴んでもらうのいいよね。また、彼との出会いもまた良いです。右から失礼。言ってみたくなるセリフですね。
まとめ
ストーリーもドラマの「エージェント・オブ・シールド」や続編の「キャプテン・アメリカ シビル・ウォー」と大きく関わる重要作でありながら単なる「繋ぎ」の回ではなく、見どころたっぷり、手に汗握る最高のエンターテイメント作品として仕上がっています。
ムービー・マスターピース シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー 1/6スケール プラスチック製 塗装済み可動フィギュア
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アベンジャーズ:ラスト・ホワイト・イベント感想
概要
以前紹介した「アベンジャーズ:アベンジャーズ・ワールド」の続編である今作。前作ラストに名前が判明したナイトマスクの存在により「ニューユニバース」との繋がりが明かされました。
ニューユニバースとは?
そもそも「ニューユニバース」ってのはなんなのか?
「ニューユニバース」は1986年にマーベル25周年企画で立ち上げられたレーベルです。リアルな世界観を重視した「ニューユニバース」は「ホワイト・イベント」と呼ばれる現象をきっかけに誕生した超人類たちを主人公にした作品でした。企画はコケて黒歴史っぽいポジションにいたのですが、今作ではそんなニューユニバースからスターブランドなるキャラクターが登場します。
今作でも奴が登場!
そして今作でも暗躍するエクス・ニヒロ!前作で地球に射出された創生爆弾(オリジン・ボム)の影響で"地球に"意識を宿らせようとするエクス・ニヒロ。爆弾はそれぞれ「自意識」「摂食行動」「自己修復」「意思疎通」「進化」「自己防衛」という生命体が当然持つ機能を持っておりそれぞれ意識体が誕生したり子どもが誕生したりします。アベンジャーズの面々はそんな存在にそれぞれ潜入や教育など四苦八苦します。
まとめ
読んでて楽しいのはシビル・ウォー周辺のようにドロドロしていないところでしょうか?話自体はビルダーズやホワイト・イベントとややこしいですが、ヒーロー間の関係は良好なのが良いです。また、周囲にバレていないもののスパイダーマンがすでにドクオクだったり、キャロルがキャプテン・マーベルだっだりするのも近年のコミックス感があって素晴らしいです。残る「インフィニティ」の発売が楽しみです!
アベンジャーズ:ラスト・ホワイト・イベント (MARVEL)
- 作者: ジョナサン・ヒックマン,ダスティン・ウィーバー,マイク・デオダート,秋友克也
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- 発売日: 2017/01/30
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至高の魔術師(予定)参戦!
「ドクター・ストレンジ」(原題 Doctor Strange) 主演 ベネディクト・カンバーバッチ
あらすじ
天才だが傲慢な神経外科医スティーブン・ストレンジ。ある日彼は交通事故に遭い医者の命ともいえる両手の自由を失う。スティーブンが藁にもすがる思いで訪れたのはネパールの僧。スティーブンはその僧たちのトップである女性エンシェント・ワンに才能を見出され、魔術師としての修行を開始する。
根本は逸らしますがネタバレもあります
コミックスでのDr.ストレンジの活躍は僕の過去記事を参照していただきたいと思います。今回は映画メインの感想。
MCUに新登場!魔術系ヒーロー!
ヒーローのオリジンとしては非常に上手くまとめられており、さすがMCUと言わざるを得ない出来でした。ぶっちゃけ隠せてなかった(隠してなかった?)のはDr.ストレンジが使用したアイテム「アガモットの目」の正体。正体は終盤で明かされましたが、ある程度コミックスもしくはMCUの今後の展開を知っている方はまぁ予想がつくシロモノ。というか今までで一番分かりやすいかもです。そして今作も定番通りエンドロールの後に追加ムービーがあります。でも最近のMCU作品の追加ムービーはこのパターンばっかりですね、正直始めの方の別作品の伏線を出していた時の方が好きでした。オマケのゲストヒーローとしてはストレンジと一番関連付けやすいということで選ばれたのか、現状化学と一番遠いであろう彼が登場しました。
魔術だからといって動かない訳ではない!
しかしそれよりなにより、語らずにはいられないのが目まぐるしく動き回る魔術バトル!!CMを観たことがある方は分かるでしょうが街並み全てがぐるんぐるん動き回り壁が地面になり地面が奈落の穴になり、空間はヒビが入り時間は操られ…ととにかく凄いです。ディズニーでこのアトラクションあったら絶対人気出る感じ、でも3割くらいは酔う感じ。そしてラスボスにはDr.ストレンジには欠かせないあのキャラクターが!いやーやっぱりDr.ストレンジのヴィランと言えば奴ですよね〜、そう!ドルマムゥ!
でっかい燃えてるやつがドルマムゥ 「Marvel Unlimitedより引用」
映画版の奴は見た目が全然違いますが、戦い方は結構凝っていて面白いです。多分最後の方はドルマムゥさんも泣きたくなってた。ただ、その代償としてか、人間としての敵であるカエキリウス戦があっさりしていたのがちょっと残念でした。
そういえば、Dr.ストレンジのヒロインであるクリスティン・パーマー、彼女はナイトナースだと思うんですが、そうするとNetflixシリーズのクレアはナイトナースじゃないんですね…
ずっとクレアがナイトナースと思っていたので軽く衝撃。
まとめ
新しく登場したヒーローDr.ストレンジ、今作もまた魅力的で、MCUの世界をまた一つ広げてくれました!
【ムービー・マスターピース】『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』1/6スケールフィギュア ドクター・ストレンジ
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ハルク:フォール・オブ・ハルクス/ワールド・ウォー・ハルクス感想
概要
今月のマーベル・マスト・リードシリーズは「ハルク:フォール・オブ・ハルクス/ワールド・ウォー・ハルクス」です。本当は昨日投稿したかったのですが予想以上に大ボリュームで読むのに2日かかってしまいました笑
実は、マーベル・マスト・リードシリーズの第1弾に「ハルク:レッドハルク」というコミックスが発売されており、本誌はその続編にあたります。「ハルク:レッドハルク」て突如として登場し、ソーやウォッチャーなどの大物キャラクターを蹂躙した謎の"赤い"ハルク、その正体が明らかになるストーリーでもあります。
レッドハルクは誰だ?
ぶっちゃけた話、アメリカ本国で連載されていたのはもう何年も前、さらにRed Hulkで検索すれば一番上に正体が出てくるし、なんならハルクより理性的だったためアベンジャーズに加入していた時期もあるため今更正体もなにもないのですが、今作の脚本を書いたのがミステリー仕立てに定評のあるジェフ・ローブという方だそうで、話の作りが上手く、正体を知っていても「レッドハルクの正体は誰だ?」というストーリーに惹きつけられます。
活躍!大勢のハルク!
そして見どころはなんといってもハルクたちの大活躍!タイトルにハルクスとある通り今作には様々なハルクが登場します。レッドハルクだけではなく我らが緑色のハルクはもちろん、機械製のハルク、シーハルク、レッドシーハルク、アース8009から来たシーハルク、エィボムといった正当な(?)ハルク達が大暴れします。さらに、それだけでは飽き足らずヴィランチームインテリゲンチャが用いたカテクシス光線の影響でアベンジャーズやX-MEN、ファンタスティック・フォーにまでハルクの波が訪れます。カテクシス光線に当てられたのはキャプテン・アメリカ(バッキー)、ソー、Msマーベル(キャロル)、ストーム、サイクロップス、アイスマン、シング、ヒューマントーチ、インビジブル・ウーマン、スパイダーマン、ウルヴァリン、デッドプールと錚々たる顔ぶれ。そのメンツがでっかくなってぶつかり合うんだからその迫力は物凄いです。
「Marvel Unlimitedより引用」
しかし一番燃えるのは最終決戦ハルクvsレッドハルク、やっぱハルクはバナーの緑色じゃないと!そう感じることが出来るほどのハルクの強さ!圧倒的です。緑色ハルクが理性的なのも見どころだったりしますね。
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ホークアイ:リトル・ヒッツ感想
あらすじ
クリント・バートンの過去の恋人が勢揃い!その時ケイトは……?
女難に水難……二人の”ホークアイ”に今日もまたトラブルが降りかかる!
アベンジャーズのメンバー”ホークアイ”ことクリント・バートン。弓の名手ながら普通の人間である彼の活躍を描いて、日本でも好評を博した『ホークアイ:マイライフ・アズ・ア・ウェポン』の続刊が登場。
今回はホークアイを巡る3人の美女(ブラック・ウィドウ、スパイダーウーマン、そして前妻モッキンバード)が新たに登場して物語に花を添える一方で、1巻に登場したロシア人地上げグループとの抗争が意外な展開を迎える。さらに2014年のアイズナー賞を受賞した傑作エピソード「ピザ・イズ・マイ・ビジネス」を収録した必読の第2巻!
本書より引用
概要
以前紹介した「ホークアイ:マイライフ・アズ・ア・ウエポン」の続編である本作。
前作と同様マーベル・コミックスのおしゃれ枠(勝手に任命)として味のある絵で展開されます。
ヒーローだって、日常はこんな感じ
ストーリーも前作と同様アベンジャーズであるホークアイのヒーローじゃない日が描かれています。今作も前回と同様アンテナ修理をしたりハリケーンの被害にあった人を助けたりと日常感溢れています。本巻ではホークアイのクリント、ホークアイのケイトだけでなく、ブラック・ウィドウ、モッキンバード、スパイダーウーマンも登場。ちょい役ですがスターク、ウルヴァリン、スパイダーマンも出てきました(本当にチョイ役、ドラマの話して終わり)。
注目はピザ犬の冒険
そして今作の注目はなんといっても第11話"Pizza Is My Bussiness"(邦題 ピザ犬の冒険)。2014年のアイズナー賞を受賞したピザ犬の冒険は前作で拾われ、共に生活している犬のラッキーが主人公の作品。「犬の視点」であることに重点を置いているため人間の言葉が途切れ途切れしか理解できなかったり、ピクトグラムを駆使した描写で描かれています。それでいながら物語の展開がよく分かる素晴らしい出来となっています。
「Marvel Unlimitedより引用」
まとめ
ポスターに出来てしまいそうなほどおしゃれな画風でありながらアメコミとしても魅力いっぱいの本作、アメコミに興味があるなら是非!手に取ってみてください!
- 作者: マット・フラクション,デイビッド・アジャ他,中沢俊介
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サンダーボルツ:シビル・ウォー感想
概要
二ヶ月に一回届くシビル・ウォーのクロスオーバーシリーズ、二ヶ月に一回言っておりますがその暗いストーリーライン故か読み始めるまでに時間がかかります。今回も平常通り遅れに遅れやっと読みました。
ちなみに今月号はクリスマスプレゼントなのかシビル・ウォー本編の塗り絵が同梱されておりました。
この塗り絵、なんと「サンダーボルツ:シビル・ウォー」とほぼ同じ厚さという大ボリューム。しかも未翻訳というおまけ付きなのが粋です。
ヒーロー志願者?主人公はヴィラン!
そして本編はサンダーボルツの物語。ですがそもそもサンダーボルツとは何者なのか?サンダーボルツとは元ヴィランで構成されたヒーローチームです。「ヴィランのヒーローチーム?なんだ、じゃあスーサイド・スクワッドと一緒じゃないか!」と思ってしまいがちなサンダーボルツ、マーベルユニバースにも過去ダーク・アベンジャーズがおり、それと同じとも思われてしまうかもしれません。しかしサンダーボルツはスーサイド・スクワッドやダーク・アベンジャーズとは異なり「本心からヒーローを志すヴィラン」であるという特徴があります。
本誌で活躍するサンダーボルツのメンバーはバロン・ジーモ、マッハⅣ、ラヂオアクティブマン、ブリザード、ジョイスティック、ソングバード、フィクサー、アトラス、スマグラー、ソーズマン。日本では有名ではないかもしれませんが、ラヂオアクティブマンやフィクサーなどはヴィランとしてゲームにも登場しているキャラクターです。しかし注目はなんといってもバロン・ジーモ。映画「キャプテン・アメリカ シビル・ウォー」でも黒幕として登場した彼はコミックスでは上記画像のようなマスク姿のキャラクターです。
バロン・ジーモ…というよりサンダーボルツ全員に言えることですが、彼らに常に付きまとうものに”疑惑”があります。そりゃそうです、元ヴィランですし。本誌では彼らは疑われながらも正義を貫く姿が描かれるのです。中でもバロン・ジーモはキャプテン・アメリカと深い因縁にあります。本誌のバロン・ジーモの本名はバロン・ヘルムート・ジーモ、彼は2代目で、初代はヘルムートの父であるハインリッヒ・ジーモです。ハインリッヒ・ジーモは戦時中バッキーを殺害し、キャップを凍らせた原因を作っています。もう因縁バチバチです。そんなバロン・ジーモなのでキャップの信頼を得るために活動するのも一苦労なわけです。
新たなヒーローのポジションを確立したサンダーボルツの活躍、非常に楽しめました。