彼が壊れるまでの一から十まで
「バスターの壊れた心」(原題 BUSTER'S MAL HEART)主演 ラミ・マレック
あらすじ
森の中を駆け、警察から逃げ続ける男がいる。彼の名はバスター。何故彼は追われているのか、物語は10日前に遡る。
バスターはホテルの従業員だった。妻も娘もいる幸せな生活。目標は自分の家を持つことだ。ある夜、ホテルに奇妙な男が現れる。クレジットカードもIDもないためチェックインを拒否された男はバスターに2000年問題を語って聞かせる。「世界の終焉」だと。やがてバスターはいつまでも名乗らない男と共謀し、宿泊客の貴重品を盗むようになる。
バスターの生活と同時進行して髭面のバスターの生活も描かれる。髭面のバスターは他人の家で生活している。家中の絵画を反転させ、2000年問題をマスコミに訴える生活。時には漂流している姿も描かれる。髭面のバスターはホテルマン時代見ていたブラックホールの解説図をあらゆる方法で残している。
概要
サスペンス映画「バスターの壊れた心」
壊れた後のバスター(髭面)は余りにもホテルマン時代のバスターとの印象差が開きすぎていて、始め同じ人物だと気がつきませんでした。ヒントになるのが目元くらいなので。壊れたバスターの壊れ方は尋常じゃなく、上記した"絵を反転させる"といった異常行動はほんの序の口、侵入した他人の家の鍋に脱糞したり、帰ってきてしまった家主を縛ってもてなしたりしています。
しかしそれほどまでにバスターの心が壊れてしまうのも仕方がないのです。それほどまでにバスターを追い詰める悲劇が彼に襲いかかるのです。しかし、それがきっかけでバスターの心が壊れたかというとそうでもありません。悲劇が起きた直後はまだ彼は普通なのです。ではバスターの心が明確に壊れたきっかけは何なのか…実は、明確には明かされません。というより、今作は明かされないまま終わる部分が非常に多い!
例えば、何故バスターは警察に追われているのか?悲劇を起こした犯人は誰なのか?バスターの心が明確に壊れたきっかけは…?あらゆる謎が残されています。普通に考えると、バスターが悲劇を起こした犯人なのでしょう。そうでないとあらゆる説明がつかないです。でも何故?何故悲劇を起こしたのか?バスターからは動機が全く見受けられません。そう考えると、バスターは心が壊れたのではなく、初めからバスター(髭面)の人格は存在してたのでは無いかという考えに辿り着きます。それはバスターのセリフや描写からもそう捉えることが出来ます。ではどの時点から…?それはもう謎でしか無いです。
以下ネタバレバージョン考察
最後、何故バスターは消えたのか?バスターがそもそも存在していないとは考えられないです。では名乗らない男は?彼は何だったのでしょうか?バスターの妄想?それとも完全にあらゆる痕跡も残さず消えたのでしょうか?
僕は後者だと思いました。名乗らない男は世界にとってのバグを駆除する役割を持っていました、そしてそのバクとはバスターの事。これは作中で明かされます。最後にバスターが消されたのは名乗らない男のバク削除が成功した証なのでは無いでしょうか。そうなると、男の行動、目的は全てバスターの削除であると考えられます。ならば、上記では妻と娘の死(悲劇)はバスターが犯人と言いましたが、やはり名乗らない男が犯人であると考えざるを得ません。全てはバスターを消すため。その為にバスターの心を破壊する必要があったのでは無いでしょうか?心が壊れていなくても成功するのならすぐしているはずですしね。2000年問題などをバスターに聞かせたのもバスターの考え方を歪めるための可能性もありますね。考え方を歪められ、一切の痕跡のない男を犯人だと証言するバスター…壊れるには十分すぎます。
と、考えたらキリが無く、しかし考えちゃう楽しみがある一本でした!
フィアー・イットセルフ 感想
あらすじ
北欧神の世界アスガルドの処遇を巡ってソーとオーディンが対立する中、レッドスカルの娘シンは亡父の復讐に燃え、禁断の地へと足を踏み入れる。こうして封印が解かれた結果、大地とそこに住む人々は恐怖の虜となっていく。圧倒的なまでに強大な敵に手も足も出ないアベンジャーズに秘策はあるのか?地球滅亡のカウントダウンが迫る中、キャプテン・アメリカは重大な決断を下す……
復活に始まるソー・サーガの集大成『フィアー・イットセルフ』、ついに登場!
本誌帯より引用
概要
アメコミ記事の連想投稿です。発売が大抵月末だからね。固まるよね。「インフィニティⅢ」と同時発売された今作。舞台はインフィニティより前に戻り、「シージ」「アベンジャーズ:プライム」を経た後のストーリーを描きます。
登場、レッドスカルの娘
事の発端はレッドスカルの娘シン。彼女は、レッドスカルが大戦中発見したものの扱いきれず封印していたハンマーを入手し、スカディとなります。スカディはその足で封印されている父でありオーディンの兄であるサーペントを封印から解放します。サーペントの望み、それは弟であるオーディンを討つこと。恐怖を糧とし力とするサーペントはオーディンを屠る力を得るため、人類に襲いかかり恐怖を集めます。
一方オーディンはサーペントの復活を察し、地に落ちたアスガルドの瓦礫の中生活する神々を連れて本当のアスガルドへと帰還します。オーディンがアスガルドへと帰還したのはサーペントを倒すための作戦を実行するためでした。サーペントを討つ作戦、それは恐怖を生み出す人類、サーペントを地球ごと破壊するというものでした。その通りにする訳にはいかないとアベンジャーズ、父に反旗を翻したソーはサーペントとの戦いに挑みます。
迫力満点、サーペントvsヒーロー
ずっと気になっていたフィアー・イットセルフが遂に邦訳化ということでワクワクしながら読みました。めちゃくちゃ面白かったです。今作は戦闘の迫力が尋常じゃないです。もちろん、総大将戦は大迫力なのですが、それに至るまでもすごい。例えば、サーペントは人類に恐怖を植え付けるため、深宇宙より8つのハンマーを地球に墜落させ、ジャガーノートやアブゾービングマンといった地球に住む者たちを破壊の化身に変えるんです。そしてその破壊の化身の中にはなんとハルクやシングもいます。
「Marvel Unlimitedより引用」
しかもそのハルクとシングは同時にソーに挑んでくるのです。さらに表紙をもう1回見てください。ほら、ヴィブラニウムシールドが割れてるんですよ。これは表紙だけでなく本編でも描かれます。敵はそれほどまでに強敵ということです。こんなの熱くない訳がないです!
ここからネタバレ
今作が面白いのは王道性にあります。強力な…強力すぎる敵サーペントとその軍勢は地球のヒーロー達を絶望にたたき落します。それはあのキャプテン・アメリカがこの戦いを"負け戦 "と呼び、家族のため戦線からの離脱を望んだスパイダーマンに離脱を認めるほどです(すぐ戻ってきますが)。そんな敗色濃厚のヒーロー達に与えられたのはオーディンから授けられた武器。ムジョルニアと同じウルを使った武器なのです!ピンチに一発逆転の武器ですよ!まさに王道。
「Marvel Unlimitedより引用」
さらに本作には超かっこいいこのシーンも収められています。
「Marvel Unlimitedより引用」
どうです?このかっこよさ!この熱さ!最高です。
- 作者: マット・フラクション,スチュアート・インモネン,御代しおり
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インフィニティⅢ 感想
あらすじ
創生種族ビルダーズの侵攻を阻止すべく、銀河評議会と共に宇宙大戦争に挑んだアベンジャーズは、キャプテン・アメリカの奇手で、強敵に一矢を報いた。しかしその一方、地球では、サノス率いるブラックオーダーとイルミナティの激戦が続く中、インヒューマンズのテリジェン・ボムが炸裂。全世界が混乱に陥った。宇宙と地球、二つの危機をアベンジャーズはいかに切り抜けるのか……。気鋭のライター、ジョナサン・ヒックマンが贈るクロスオーバー大作、ここに完結!
本誌帯より引用
概要
アベンジャーズ・ワールドから始まり、そして2冊に渡って展開されたインフィニティも今冊…3冊目をもって遂に完結。前作でサノスの目的が自らの息子を見つけ殺害するという物だったと判明し、それにより襲撃を受けたインヒューマンズはテリジェン・ボムを使用しました。さらに、宇宙大戦争では遂に反撃の一手を打ったところで終了していました。そして始まった3冊目…その展開は…!
遂にストーリーが絡んだ
キャプテンの会心の一手の効果は絶大で、予想より早く終結した宇宙大戦争。始まりの「アベンジャーズ・ワールド」を表すかのように、あらゆる星々が勇気と希望を与えてくれたアベンジャーズのシンボルを掲げ、反撃に出たことで見事ビルダーズを退けます。しかし宇宙大戦争が早く終わったのにも意味があります。だってキャプテン達はまだサノスに合ってないですからねそりゃそうです。一方サノスらも捕らえたブラックボルトから情報を聞き出し、インカージョンに向けて用意していた反物質爆弾を奪ったり、ブラックボルト本人を洗脳したりと非道な行為を繰り返しています。
宇宙大戦争が終結し、安堵の時間を過ごしていたアベンジャーズの元に届いた凶報、直ぐにでも地球へ向かおうとするアベンジャーズですが、戦争を乗り越えた彼らには頼りになる存在が付いていました。それはシーアー、スクラル、クリーといった強力な味方、キャプテンの、アベンジャーズの熱き思いで救われた借りを返そうと、彼らも損得を無視して助けてくれるのです。そして彼らが開いた血路を辿り地球に舞い戻ったアベンジャーズは最後の戦いに挑みます。敵は圧倒的に強力。それに加えアベンジャーズは手負いです。しかしそれでも彼らは立ち上がるのです。そんなの熱くない訳がないです。決戦はアベンジャーズで挑むってのもまた熱いですよね!でも強いんですよ!サノスもブラックオーダーも!突っ込んできたハルクをパンチでぶっ飛ばしますからね!ヤバい。
そしてそんな熱い展開が描くラストは予想外の終わり方を迎えます。いやーサノスさん、ちょっと可哀想。言うなればディアボロ的な可哀想さ。しかもちょっと不穏です。それもまた良いけどね。
生まれる新たなる禍根
しかしこれはあくまでサノスとの決着がついただけ、もちろん物語が終わる訳ではありません。この大きな戦いはあらゆる禍根や新たな種を残します。
インヒューマン
例えば、テリジェン・ボムによるインヒューマンズの増加。 ミストに含まれているMポックスはやがてミュータントとの対立を招きます。
ワカンダ
例えば、ワカンダとアトランティスは戦争をしていたはずなのにワカンダの地下にある国ネクロポリスでブラックパンサーとネイモアが会っていたことがワカンダの王ブラックパンサー(女)にバレたり。
他にも…
例えば、ブラックスワンが残した不穏すぎる言葉。
それにインカージョンも何一つ解決していないです。それらはまたマーベルの世界を彩るでしょう。個人的に嬉しかったのはやはりインヒューマンズ関連。インヒューマンズって、興味があっても中々入口が見つからないんです。ま、ドラマはありますけど、コミックスの方ね。しかし、今作を読んだ後であれば来月発売の「Ms.マーベル もうフツーじゃないの」に直接繋がりますし、「インヒューマンズ」のタイトルとしての続編は新シリーズになる上未だに続いてるっぽいので、マーベル・アンリミテッドのスタート地点の指標となるわけですよ!素晴らしい。やっとインヒューマンズが読める。
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争うのは、人の性なのか
「ワンダーウーマン」(原題 Wonder Woman) 主演 ガル・ガドット
あらすじ
女性しかいない島セミッシラの沖合に一機の戦闘機が墜落した。それを偶然目にしたダイアナは、操縦士だったスティーブを救出、それにより、セミッシラのアマゾン達は世界で起きている戦争の実態を知ることになる。
戦争の元凶は軍神アレスによるものに違いないと考えたダイアナはスティーブと共に世界へと足を踏み入れる…
概要
本日2017年8月25日公開、DCEU第4弾のワンダーウーマンです。DCEUといえばバットマンvスーパーマン、スーサイドスクワッドと成功とは言い難い作品を排出しており、先行き不安な映画シリーズですが、なんと今作ワンダーウーマンにおいてはアメリカで大ヒットを記録、ティーン・チョイス・アワードにおいても数多くの部門でノミネートされた期待大の作品です。やっとか!やっと報われたのか!ってヤツですね。ちなみに、Box Office Mojoにおける2017年の米国興行収入ランキングでは堂々の第2位です!(2017年8月25日現在)本当に報われてますね!
さて、いざ見た感想でございます。
ひたすらに、かっこいい
もうこれっきゃないでしょう!戦闘シーンの完成度の高さはもうもはや美しさすら覚えるレベル!本当に、本当に戦闘シーンが最高すぎる!戦地で敵の銃火器を物ともしないその姿も最高ですが、最高なのはセミッシラで繰り広げられたアマゾンvs兵士です!馬や己の筋肉を最大限使い、まるで空を舞うかのように飛び交うアマゾンの戦闘は目が奪われてしまいます!ちなみにバットマンvスーパーマンで出てきたダイアナに比べて戦時中のダイアナはめちゃくちゃ脳筋です。数多の言語を話せ、数多くの知識を有しているダイアナでも、島で生きてきたためいわゆる"一般常識"には欠けています。さらに目的はアレスを倒すというただ1つですので脳筋になるのも仕方がない気もしますね。
ついにわかりやすさが前面に押し出された
今作がここまでのヒットを飛ばしたのはこれが最大の要因ではないでしょうか。もちろん、ワンダーウーマンというキャラクターがDCを代表する人気キャラクターであることも集客の要因にはなり得ます。しかしそれだけではここまでの記録を出せないのはバットマンvスーパーマンの記録が証明しています。では何が最大の要因なのか、それこそがこの"わかりやすさ"ですよ。バットマンvスーパーマン、分かりづらいシーン多かったですね。突然未来からやってくるザ・フラッシュやなんの説明もなく戦線に参加するワンダーウーマン…うーん、本当にファンにだけ向けた作品なのかな?そう思うシーンが多々ありました。スーサイドスクワッドで少しは成長してキャラクター説明はありました、でもやっぱり中々感情移入し辛かったです。しかし!今回ばかりはそうはいきません!丁寧に丁寧にダイアナ…ワンダーウーマンのオリジンを描いています。だから誰がみても100%楽しめる!だからのめり込めるんです!
まとめ
そして見どころは戦闘シーンだけではなく、スティーブとの甘いシーンも見どころなのです!甘いだけじゃなくて切ないんですよ!もう最後のシーンがね…あの時計は今後のジャスティス・リーグなどでも出して欲しいですねぇ!
アンダーサイド:シビル・ウォー 感想
あらすじ
全米の超人を二つに割って燃え上がるシビル・ウォー。だがしかし、全ての超人がこの戦いに参戦したわけではない。
超人登録法の是非でも主義主張の相違でもない、道を逸脱した己との戦いに明け暮れるムーンナイト。
煉獄よりの脅威と戦い続ける運命に殉じるゴーストライダー。
世間の耳目も届かぬ路地裏で、辺境の地で、シビル・ウォーの傍らで繰り広げられた戦いがここに明らかになる。
異形のヒーロー二人を主役に据えた異色作、ここに登場。
君はどちらに付く?
コミックス紹介文より引用
概要
シビル・ウォーのクロスオーバーシリーズ最終作。マスト・リードも終わりを迎えたため、月々勝手に届いてくれたコミックス達とはお別れです。いやー長い長いと思いながらもいざ終わると結構寂しいです。
そして最後を飾るのは闇を生きる二人のヒーロームーンナイトとゴーストライダーです。そしてこれを言うのも最後になってしまいました…
シビル・ウォー関係ねぇ!
ふう…満足
クロスオーバーを読む中で幾度となく記載したこの言葉、シリーズが進みキャラクターのマイナー度が上がるにつれ無関係さもぐんぐんと上昇してゆきました。それは最後の最後である本作も同様であります。なんなら紹介文に書いてますからね"全ての超人がこの戦いに参戦したわけではない"って。しかし!しかしです!この言葉も何度も言いましたね。関係なくても面白いと!では、感想いってみましょう!
ムーンナイト編
今作は二部構成、ムーンナイト編とゴーストライダー編で分かれています。二つのストーリーに絡みは無いです…無いです。
さて、ムーンナイト編。みなさん、そもそもムーンナイトさん知ってますか?
「Marvel Unlimitedより引用」
本名はマーク・スペクターという名の傭兵であるムーンナイト。古代エジプトの神コンシューの加護を受けたダークヒーローです。そして解説書によればマーベル版バットマンを目論んだものの設定を盛り込みすぎたがゆえキャラクターがブレたヒーローとのこと。
正直なところ、僕はキャラクターの設定などは知りながらも彼の単独誌には触れたことが無かったです。因縁のあるヴィランも知らないレベル。そんな僕が読んで思ったことそれは…
超ドラマ受けしそう。
ってとこですね。特にNetflix。
ムーンナイトはかなりパニッシャー系のキャラクター。敵をぼっこぼこにして吊るし上げて。しかし一方でコンシューが因縁のあるヴィランである故ブッシュマンの姿を借りてムーンナイトの心に揺さぶりをかけてくるため、ムーンナイトは常に心の声に苦しんで…あぁ、確かにバットマンだわこれ(ゲームのアーナムナイト)。でもこれで分かりませんか?こりゃドラマ受けするわっての。
戦闘は格闘メインなので実写化してもファンタジーになり過ぎないし、敵を追うだけでなく自らの内面との葛藤も描ける…ばっちりっすよ…と、ここまで書いてからもしかしたら…と思い調べてみたら、確定はしてないものの計画はあるようですね、ドラマ化。しかもやっぱりNetflix。やったぜ。
ゴーストライダー編
こちらは言わずと知れたヒーローですね。ジョニーは実写化もマブカプでゲーム化もしたし。現行のゴーストライダーであるロビーもエージェント・オブ・シールドでドラマ化してますしね。
「Marvel Unlimitedより引用」
今作で活躍するのはジョニー・ブレイズ。666のカケラに分かれ、遺体に取り付いたメフィストを追います。今回はカケラのうちの一つが二代目ジャック・オ・ランタンの遺体に取り付いたため、それを追います。もうね、ムーンナイトは申し訳程度にアイアンマンやキャップと絡みがあったんですよ。ゴーストライダーは一切無かったですね。ゴーストライダーが地元に住む保安官ハリーと共にメフィストを倒す話ですからね。
しかし関係無いなりに短く、読みやすく、それでいてゴーストライダーのかっこよさがあますところなく描かれており、非常に楽しめました!
ヒーローとして、愛される隣人として
「スパイダーマン ホームカミング」(原題 Spider-Man: Homecoming) 主演 トム・ホランド
あらすじ
華々しい活躍の裏には、破壊が伴うものだ。
ニューヨーク。瓦礫に埋もれたスタークタワー周辺。そこに男たちが集まって街の復興に臨んでいる。少し前、人はエイリアンという超常的な存在を理解した、少し前、地球は自らに迫る危機を理解した……しかしエイリアンの侵略に抗った者たちがいた。彼らの名は"アベンジャーズ"、後にニューヨークの戦いと呼ばれるその争いは人々に勝利をもたらしたものの、同時に甚大な被害ももたらした。
そんな街の復興に挑む男たちのボスの名前はエイドリアン・トゥームス。彼は人を雇い、トラックを買い、街の復興に力を注ぐことで収入源を手にした。しかし彼らの前に別の集団が現れ、トゥームス達にクビを言い渡した。彼らの名は"ダメージコントロール"、よりによって街を破壊した張本人の1人であるトニー・スタークが発足したチームにより、トゥームス達の収入源は絶たれたのだ。
職を奪われたエイドリアンとその部下達、しかしエイドリアンには新たなアイデアがあった。エイリアン達のもたらした物質で武器を作り密売しよう…と。
それから8年、クイーンズに住む少年の新たな旅立ちが始まろうとしていた。少年の名前はピーター・パーカー。スパイダーマンとしてシビル・ウォーに参加した後は憧れの"スタークさん"の呼び出しがかかるのを待ちながら街の平和を守る日々。ある日、いつものように人助けをしていると、ピーターはエイドリアンらの武器が使われた犯罪に出くわした。以来、エイドリアン…ヴァルチャーらを追い詰めようと奮闘するピーター、時に失敗し、時に落ち込み、それでも前を向き続け、ヒーローも青春も全力で挑むスパイダーマンの成長の旅が始まるのだ!
概要
MCU最新作大好きだぜスパイダーマン!です。トム・ホランド君がピーターを演じる3回目のスパイダーマンリブート作品、何度か語っている気もしますがオリジンやらなんやらを取っ払った作りになっています。
今までとはココが違う!新たなスパイダーマンの物語!
今回のリブートでは結構思い切っており、上記オリジンの撤去だけじゃない目新しい要素がかなり詰まっています。例えば友人のネッドやミシェル。
ネッドは実はコミックスにもいるらしいですし、ミシェルは実は◯◯なのでオリジナルキャラクターって訳ではないのですが、ピーターの友人がハリー・オズボーンじゃないのはやはり映画としては新鮮ですよね。ちなみにいじめっ子代表フラッシュ・トンプソンももちろん登場しますが今までの金髪でスポーツマンなイメージとは大きく異なります。。
そして敵はヴァルチャーとショッカー、ヴァルチャーはMCUお得意のメカメカ大変身、ショッカーは…まぁちょい強い雑魚ポジです。ちなみに、マック・ガーガンの名前も出てきます。コミックスではスコーピオンですね。映画では敵Aみたいな。
やっぱりこの世代
もしかしたら以前お伝えしたかもしれないし、していないかもしれないのですが、僕はティーンヒーローが大好きです。ヤング・アベンジャーズ、チャンピオンズ、ランナウェイズ、カマラ、ノヴァ(サム)…僕が好きになるヒーローやヒーローチームはティーンである事が多いです。突如身につけた能力に戸惑ったり、能力を過信したり。憧れのヒーローを目指しながら成長する一方で憧れのヒーローにちょっと失望したり…そんなティーン達の活躍を見るのが大好きなんです。そして本作はまさにそんな感じ!ヒーローとして頑張ってるけど時にから回って…でも学校も大切で…こんなに忙しいのに中々認めて貰えなくて…もう最高っすよ!スタークから貰ったスーツのせいでさらに調子に乗っちゃってる感じがまた良いです。
大人の大きさを感じる作品でもある
本作を通して強く感じたのは大人を大人らしく感じるというところ。具体手にはトゥームスとスタークなんですけれど、物語の写し方が上手いのか、ホランド君の子どもっぽさが良いのか、とにかく相手が"大人"で、こちらは守られる子どもであることを強く感じます。具体的にはスタークの説教シーンですね。
一方でトゥームスから感じる大人っぽさは全体的な行動から感じます。いやー今回ヴァルチャーかっこいいんですよ、敵なのに。悔しいけど。なんていうんですかねー…例えば
工場跡地のような場所で対峙する場面。もうトゥームスの仲間は引き払ってトゥームス1人です。そんなトゥームスの元にピーターが現れるんですよ。そして動けないように片手を蜘蛛糸で捕まえる。
というシーンがあるんですけど、蜘蛛糸で片手を抑えられたトゥームスは外そうとするでもなし、脅したピーターに怒りを露わにするでもなしに、本当に、本当にめんどくさそうにピーターの相手をするんですよ。もううんざりって感じで。その演技がまた凄くて、わざとらしさが全く無いんです。マジで相手をするのがめんどくさそう。流石は元バットマン。演技すごい。
トゥームスは油断も過信もしないキャラクターとして描かれており(ピーターに見られるまではFBIやアベンジャーズにもエイリアン武器の密売はバレてなかった)ピーターとの対比としても良かったですね。
ちなみにトゥームスの正体が分かった時は妙に納得してしまいますよ。流石は僕らの不幸マグネットスパイダーマン!悩める姿はいつでも健在です。
まとめ
MCUと合流し、新たなスタートを切ったスパイダーマンの物語。今までに無い物語でありながら、それでいて
「あぁ、スパイダーマンだなぁ」
と思える素晴らしい一作となっています。今までのスパイダーマンが好きな方も、スパイダーマンを見たことが無い人でも十分に楽しめる一作です!
インフィニティⅡ 感想
あらすじ
創生種族ビルダーズに対峙すべく、スターブランド、エクス・ニヒロら4人の異分子を戦列に加え、宇宙へと旅立つアベンジャーズ。彼らを待っていたのは、想像を絶するスケールの銀河大戦だった!一方、地球では、ワカンダとアトランティスの対立が深まる中、狂えるタイタン人サノスが降臨。その尖兵たるブラックオーダーの暗躍が始まっていた……。気鋭ジョナサン・ヒックマンが贈るクラスオーバー大作第2弾、ここに登場!
本誌帯より引用
概要
以前インフィニティへ繋がるマーベルナウ!のシリーズをぶっ通しで読むと超面白い。と紹介しましたが今作はそのインフィニティの第2巻、中編に当たる作品です。
前作で迫り来る脅威"ビルダーズ"に対抗すべく宇宙へと飛び立ったアベンジャーズ。一方アイアンマンやブラックボルトらイルミナティのメンバーは地球に残り、キャプテンらには明かさぬままにインカージョンの解決に向け活動を開始しました。しかしそんな混乱の中にインカージョンよりも目に見えて迫る脅威、サノス軍が動き出したのです。
二つの重厚な物語!
今作では地球にいるヒーロー(主にイルミナティ)とサノス軍との戦いパートと宇宙へと飛び立ちシーアーやクリー、スクラルなどの宇宙人たちと協力しビルダーズに挑むパートに分かれて展開されます。正直、メイン級の大事件が同時進行で行われるという超高カロリーなストーリーにお腹いっぱいです。
ま、と、とりあえず各パートの感想を述べて行きましょう。
地球サイド
サノスの率いる6人の精鋭ブラックオーダーがそれぞれジーン・グレイ学園やサンクタム・サンクトラム(Dr.ストレンジの家)、ワカンダにアトランティスといったイルミナティに深い関わりのある箇所に攻め入ります。
「Marvel Unlimitedより引用」
ワカンダとの不和によりなすすべなく降伏したアトランティスや見事勝利を収めたワカンダなど戦果はそれぞれではありますが、その襲撃によりサノスの探し求めているものが明らかになります。そしてサノスの先手を打つために静寂の王ブラックボルトがある決断をするのです。実はカマラ・カーンがスーパーヒーローとなった事件こそがブラックボルトの決断、これにより漏れ出たインテリジェン・ミストがカマラに影響を与えることになります。ちなみに!そんなカマラちゃんの邦訳も見事決定!9月末に発売です。超楽しみ。
宇宙サイド
そして宇宙サイド、予想以上に規模の大きなストーリーになり、映画GotGでも登場したロナン・ジ・アキューザーやコミックスではスパルタクスという種族の王であるスター・ロードの父親ジェイ・ソンなども登場します。そんな事もあってか技術の遅れた野蛮な種族地球人の代表である我らがアベンジャーズはただの一般兵という扱いに。しかしそこからが凄い。まず、我々地球チームには他にはいない貴重な存在がおります。そう、エクス・ニヒロやアビス、スターブランドといった超常的存在です。そしてさらに頭角を表すのがやっぱりこの人キャプテン・アメリカ!派遣された地球人の中でも際立った能力のないキャップですが、皆さんご存知の通り彼の実力は強さじゃありません。その卓越した戦術組み立てとリーダーシップはやがて宇宙連合チームを勝利へと導くのです!カッコよすぎるぜ!
これから反撃!というところで第3巻へ持ち越しといういじらしい構成、次巻が楽しみです。
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