新米の一歩目

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スーペリア・スパイダーマン:ワースト・エネミー感想

これは…1人の心優しきヒーローの終焉と、1人の悪人の正義の物語

 

スーペリア・スパイダーマン:ワースト・エネミー (MARVEL)

 ネタバレあります!

「スパイダーバース」などでも大活躍したスーペリア・スパイダーマンの誕生作がついに翻訳されました。

  しかしスーペリア・スパイダーマンのオリジンを描くにはスパイダーマン、そしてピーター・パーカーの歴史の中で最大といっても差し支えのない転換期を描く必要があります。それは…

ピーター・パーカーの死

 

  この本はスパイダーマンの日常から始まります、紙面には数多くのスパイダーマンのモノローグ、MJとの距離感を縮めようと考えていたり、アベンジャーズとして呼ばれることに慣れていなかったり、スパイダーマンにとっての日常が描かれます。そんな中スパイダーマンアベンジャーズから呼び出しが。なんと瀕死の状態でラフトに収監されているDr.オクトパスがピーター・パーカーを呼んでいるとのこと。ラフトに辿り着いたスパイダーマンアベンジャーズに頼みドク・オクと2人きりになります。

「ピーター…パーカー…」

 呟くドク・オク

「そう、私がピーター・パーカーだ」

そう答えたスパイダーマン

「いや…ピーター・パーカーは僕だ…」

「さっきまではな。だが今からは私こそがパーカーなのが  貴様の記憶は全部頂いた。貴様の人生も何もかも、残らず私のものだ  対する貴様はオットー・オクタビアス…」

 

  そう、既にピーターとドク・オクの中身は入れ替わっていたのです。

  このままではピーターの、スパイダーマンの姿で街を破壊されてしまうと考えたピーターは、ドク・オクとしてスコーピオン、ハイドロマン、トラップスターの助けを借りてスパイダーマンを追い詰めます。元に戻るにはオクトボットをスパイダーマンの首に差し込むこと。死力を尽くして戦う2人、しかしドク・オクの方が一枚上手でした。限界を迎えるDr.オクトパスの肉体、ピーターの脳裏にはベン叔父さんが浮かびます。

「起きてるんだろう?学校の時間だ」

「ベン叔父さん、あなたは…」

「部屋いっぱいの目覚ましより容赦ないね!」

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                   「Marvel Unlimitedより引用」

「…!?き、貴様…私に何をした?この頭から出て行け!」

  精神入れ替えの影響で2人の思考には僅かに繋がりが出来ていました。それに気づいたピーターは過去を思い出します。ベン叔父さん、メイおばさんに愛されていたこと、スパイダーマンの誕生のこと、辛かった戦い、そして…守れなかった人達

 

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                   「Marvel Unlimitedより引用」

「よせ、こんなことは望まん…」

スパイダーマンになりたかったんだろう?得るのは力だけじゃない」

「貴様…殺す!」

「無理だ 命の尊さを知った今では 命を奪われる…激痛を知った今では」

「耐えろよ 真の強さを見せてみろ 世界には戦って守るべき物があるんだ」

「こんな事…到底…不可能だ!」

「こんな事は…望んでない」

「なぜ…どうやって…こんな事を…」

「必要だからさ   大いなる…力には…」

「大いなる責任が伴う、か…」

「わかった」

「よし、あんたは…今からスパイダーマンだ」

周囲を取り囲む人の中からMJの声が聞こえます

「MJ?みんなの姿を見せてくれ」

「ほら」

「彼らを守ると約束してくれ」

「約束する」

「それは…僕が…ずっと…」

生き絶えるピーター

 

「さらばだ、ピーター・パーカー  お前は去ったが…お前の名を引き継いだのは悪党ではない 誓うぞ スパイダーマンになる  この比類なき頭脳と…果てしなき大志で…お前を超えた、これまで以上のスパイダーマンスーペリア・スパイダーマンにな!

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                      「Marvel Unlimitedより引用」

 

こうしてピーターはその人生に幕を下ろしました。

この完成度、ストーリーとしても優秀ですが、過去登場したキャラクターやベン叔父さんが登場したこと、そして最後まで「大いなる力には大いなる責任が伴う」という言葉とともにあったことが非常に素晴らしいです。何度読んでも飽きないストーリーといっても差し支えないでしょう!もちろん、これはあくまで大まかなストーリーですから、実際読むと沢山の発見もありますよ!

 

 

一方後半ではスーペリア・スパイダーマンとしての活躍が描かれます。こちらまで書いてしまうと購入の楽しみが失われてしまうので詳しくは書きませんが、スーペリア・スパイダーマンは文字通りピーターより優れているヒーロー活動をしています。より効率がよく、より時間を有効に使います。しかしやはりピーターのあの不器用なりに一生懸命なところが愛されているのがよく分かるといいますか、やはりスパイダーマンはピーターなんだなということがよく分かる作りになっています。ですがコスチュームのかっこよさや、霊体化したピーターの存在など、読み応えたっぷりなだけでなく、次の巻も気になる素晴らしい出来です!

 この先にはスパイダーバースがまっていたり、もちろんアメコミならではの復活劇が待っていたり…スパイダーマンの物語はまだまだ続きます。しかしそれも含めて楽しいのがアメコミですから!

 

 

 

スーペリア・スパイダーマン:ワースト・エネミー (MARVEL)

スーペリア・スパイダーマン:ワースト・エネミー (MARVEL)

  • 作者: ダン・スロット,JM・デマティーズ,ジェン・ヴァン・メーター,ライアン・ステグマン,ジュゼッペ・カムンコリ,リチャード・エルソン,ウンベルト・ラモスほか,秋友克也
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2016/09/28
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