新米の一歩目

就職をきっかけに本当にやりたいことを見つけた新卒、映画の魅力を人に伝える仕事のために邁進!アメコミ、映画、海外ドラマ、ゲーム、散歩、いろいろ好き。

それは狡猾で、破滅とともにやってくる

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  「ゴーン・ガール」(原題 Gone Girl) 主演 ベン・アフレック

 

ネタバレ有

  愛する妻が失踪し、警察に通報するところから始まる本作、そこから嘘と偽りに塗り固められた物語が静かに、這いずるように動き始めます。物語の行き着く先はなんなのか全く読めない展開が待っています。

 

  真に恐ろしいのは「人間」であると強く実感する映画

  とにかくメインである夫ニックと妻のエイミーへの印象が目まぐるしく変わる映画。始めは美しい完璧な夫婦が破壊されたことによるニックへの同情。それは事件の面だけではなく、失踪事件と並行して語られる2人の馴れ初めや甘美な生活も相俟ってその同情心はより強くなります。

  しかしその気持ちはやがてニックへの懐疑心へと変化していきます。まさに映画に出てくる一般市民と同じようにニックを軽蔑します。それもまた、ニックへの同情心を抱いた時と同様に、過去の回想が軽蔑する視聴者の心に拍車をかけます。

  やがて物語は中盤へ…そこで語られるエイミーの計画、そして判明するエイミーの生存。するとまたもや僕たち視聴者の心は大きく揺り動かされます。今度はエイミーへの軽蔑心か?いいえ、違います。僕たちに襲いかかってくるのは紛れも無い恐怖。正直、人はここまで出来るのかと目を疑い、そして戦慄します。そしてこのエイミーへの恐怖は最後までブレることなくばっちり描かれます。

  また中盤からはニックとエイミーの行動が順番に描かれ、どちらが相手を出しぬき、勝利を手にするのかが描かれるのですが、ニックが良い流れになるとエイミーが悪い流れに、エイミーが良い流れの中ではニックが悪い流れにと対比が非常に上手く描けています。

  そして終盤、正直「納得いかねー…」と思ってしまうようなモヤっとする終わりが待っています。残るのはエイミーの狡猾さに対する恐怖心のみ。その気持ちがスカッとすることはありません。モヤモヤだけ残して終了。もう気持ち悪いのなんの…

 

   仮面、嘘、偽り…そんな言葉がぴったりなこの映画、冒頭でも書いた通り終わりが全く読めない展開です。さらに退屈でダラダラしたシーンも無いため、約2時間30分という長さでありますがそれを感じないほど観入ってしまうことができます!ドロドロした映画でありながら暗くなりすぎていないのも良いです。

  秋の夜長に涼しげな風を楽しみながら見てみてはいかがでしょうか!