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新米の一歩目

就職をきっかけに本当にやりたいことを見つけた新卒、映画の魅力を人に伝える仕事のために邁進!アメコミ、映画、海外ドラマ、ゲーム、散歩、いろいろ好き。

まさにヒューマンドラマ、人間を描く

Netflix 映画レビュー

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「ヘクター」(原題 Hector) 主演ピーター・ミュラン

 

  イギリス北部に住むホームレスの老人ヘクターが毎年クリスマスの恒例としているロンドンの救援所でのある一年を切り取った今作。タイトルにある通り「人間」を見事に描いています。

  

人は、1人では生きられない

  僕は、ホームレスが主人公である作品にいままで出会ったことがなかったため、今作を見る前から少し楽しみで、新鮮な印象を受けることが出来ました。そして、いざ見てみるとヘクターが見事にホームレスらしさに溢れており、良く観察されているなと感じました。

  この映画の舞台はイギリスなのですが、正直、イギリスの方のホームレスへの対応、態度は思っていたものより断然良いものでした。というのも、僕のイメージでは、ホームレスへは基本寄り付かないというイメージ(日本人だからというのもあるのでしょうか)だったからです。しかし、実際は「お代は結構よ」とカフェのお姉さんに言ってもらえたり、使えなくなったフリースの新品の上着をくれる人がいたりと、皆1人の人として接していました。物語自体も前半はヘクターがロンドンに向かうまでを描いているのですが、やはり人に助けられていることがよく分かる作りでした。

  そのようなヘクターの姿を見ていると、ヒッチハイクの経験や、知らない人から物を恵んでもらうという経験をしている彼らこそ、人の本質、「人間は1人では生きられない」ということを理解しているのでは、と思えました。ロンドンへの道中も、救援所でも、ヘクターは助けられ、心配され生きています。でもそれって、私達とあまり変わらないのでは無いでしょうか?ただ、ヘクターより少し自由に動けるから気づきにくいだけで、僕達だって誰かの(それが知っている人、知らない人に関わらず)助け無しでは生きられないことには変わりないと、そう強く感じることが出来ました。

 

  そして、この映画の「人間」を描くというところにヘクターと家族の関係性があります。ヘクターはある出来事をきっかけに15年も蒸発しているのですが、この年のクリスマスに家族との再会を果たします。しかしそれは、必ずしも良いことではありません。もちろん、喜んでくれる家族もいます。しかし、困惑やいままで姿を表さなかったことに怒る者もいます。そのご都合展開ではないのが、また「人」や「家族」を良く描けていると感じることが出来るのです。

 

  自分の生活や周りとの関係を考え直すことができ、そして温かい気持ちになれる映画。クリスマスが近くなってきたら見てみるのも良いのでは無いでしょうか!