新米の一歩目

就職をきっかけに本当にやりたいことを見つけた新卒、映画の魅力を人に伝える仕事のために邁進!アメコミ、映画、海外ドラマ、ゲーム、散歩、いろいろ好き。

瞳の魔力に踊らされて

f:id:shoindy:20161105221958j:image

 

ビッグ・アイズ」(原題 BIG EYES) 主演 エイミー・アダムス

  劇場公開時、ゴーストライターという言葉が世間で流行していたため「すげータイミング」という印象だったこの映画。「すげータイミング」と思いながらも見てみたいなと思いつつ見逃してしまった映画でもあります。

  女性の地位が低かった時代に大きなに瞳を持つ少女の絵「ビッグ・アイズ」をゴーストペインターとして描くマーガレットとその絵を自作として売り出す旦那ウォルターの「歪み」を描いた実話を基にした作品。「歪み」の描き方が非常に上手く、ウォルターへの嫌悪感がこちらにまで伝わってきます。

 

  「女性の地位が低かった時代」というのが重要なポイントである「ビッグ・アイズ」。マーガレットが自らの絵に誇りを持っていながらも、ウォルターに従い、娘を、世間を欺き苦しみながらも自らの絵をウォルターの絵と言い続けたのもこの時代の影響が大きいです。

  一方で、時代の流れと共に女性の権利がだんだんと得られ初めているのも上手く描けており、気弱であるが故にウォルターに従い続けるマーガレットに対し、しっかりウォルターに文句を言う彼女の娘や友人がいたり、また、マーガレット自身もだんだんとウォルターを責めるようになります。

 

  冒頭でもちらっと書きましたが、この映画で一番スゴイのは夫ウォルター・キーンへの嫌悪感。クリストフ・ヴァルツの演技力には脱帽の一言です。陽気で話し上手な良い面を見せる一方でマーガレットに喚き散らし、脅し、高笑いするその姿は醜く、いやらしいです。冒頭の良い印象からの落差が非常に大きいため、そのいやらしさをより強く感じます。

  冒頭を除いてずっとイヤな印象を感じるウォルターですが、特にスゴイのは最後の裁判のシーン。弁護士をなくし、たった1人になったウォルターは裁判官にたしなめられながらも、芝居がかった動きで弁護士や証人を兼ねながら立ち回ります。その姿はまさに映画の中で裁判長が言った「吐き気がしてきた」という言葉がしっくりきます。

 

  

  10年間世間を騙し続けてきた天才アーティストの活躍と失墜、そしてそのアーティストの陰で苦しみ続けてきた女性の2つが巧みに描かれた本作。実話でありながらも最後はしっかりハッピーエンドなのも嬉しいです。そして、実話系の映画で僕が大好きな「その後」を本人の写真と共に描くというあの要素もしっかり組み込まれていた上にそこに映る幸せそうなマーガレット(本人)の写真がまた素敵でした。おすすめです!