新米の一歩目

就職をきっかけに本当にやりたいことを見つけた新卒、映画の魅力を人に伝える仕事のために邁進!アメコミ、映画、海外ドラマ、ゲーム、散歩、いろいろ好き。

ようこそ…男の世界へ…

f:id:shoindy:20161124130425j:image

 

「最後の追跡」(原題 Hell or High water) 主演 ジェフ・ブリッジス

 

ネタバレあり

  母が持っていた農場を息子に譲渡するため金が必要になったトビーは前科者の兄ハワードに協力を求め共に銀行を襲撃、それを追うのは定年間際のベテラン刑事マーカスとその相棒アルバート。テキサスを舞台に繰り広げられる哀しいクライム・ムービーです。

 

「哀愁」

  物語の冒頭からいきなり銀行を襲撃するところから始まる今作。よくあるクライム・ムービーと異なる点は終盤まで兄弟と刑事が出くわさないところでしょうか。

  「最後の追跡」というタイトルからするとマーカスが主人公に見えがちですが兄弟、刑事サイド共にじっくり描かれおり、また、無駄な会話などがふんだんに取り込まれていることから、どちらにも感情移入できます。このどちらにも感情移入できるというのが後半非常に大きな要素になります。というより、この映画の最大の見どころであり、良い映画としてのポジションを作り、そして「哀愁」を描いているのは全て、終盤に詰め込まれています。それまでのほとんどの時間は刑事達、兄弟達の関係やそれぞれの想いに費やされるのです。

 

  ではその終盤がどういうことなのか、正直これを語らずして「最後の追跡」は 成り立たないので書いてしまいます!

  強盗に成功したもののスムーズに事が運ばず、追われてしまう兄弟、追われている最中、兄ハワードは目標のあるトビーを逃し1人で囮になります。逃げるハワードと追うマーカス、アルバートはじめとする刑事たち。銃撃戦の最中、アルバートは命を落とします。悲しみにくれるハワードは自らの手でハワードを射殺、事件は収束します。トビーの過去の白さや手回しによりトビーが捕まることはありませんでした。

  退職後、マーカスはトビーの元を訪れます。犯罪の動機を語るトビー。ハワードを射殺したマーカス、強盗を計画したトビーは共に罪を背負わなければいけないと語り合い、そして別れます。最後の会話には共に命を落とすかのようなことすらも仄めかされ、映画は終了しました。

 

  僕の今の仕事はサラリーマン男性を相手にする機会が非常に多いのですが、歳を重ねたサラリーマンの方々で無愛想な方がたくさんいます。言葉を発さず物事を済まそうとする方がたくさんいます。その人が「男は多くを語らないものだ」と考えているのかどうかは知りませんが、僕はその考え方…というかその態度を正しいと思ったことは一度もありませんし、その態度に気分が良くなる人がいるとは思えません。

  この映画では、真の男の姿、多くを語らない=無愛想ということではなく、自分の真の覚悟をわざわざ触れ回ることなく、大切なもののため、心に静かに闘志を燃やす渋い男の姿が描かれています。これこそが本当に「カッコいい男」であると感じますし、非常に憧れます!テキサスの男達が織りなす悲しい物語、面白かったです。