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新米の一歩目

就職をきっかけに本当にやりたいことを見つけた新卒、映画の魅力を人に伝える仕事のために邁進!アメコミ、映画、海外ドラマ、ゲーム、散歩、いろいろ好き。

戦争の裏側の片隅で

Netflix 映画レビュー

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 「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」(原題 The Imitation game) 主演 ベネディクト・カンバーバッチ

 

  第二次世界大戦時、強大な軍事力を持って人々を絶望に陥れた存在ナチス・ドイツ。そんな彼らは連合国側が解読法を知っているとは知らず、終戦まで通信にエニグマという暗号機を用いていました。しかし連合国側も初めからエニグマの解読法を理解していたわけではありません。連合国側は解読困難であるエニグマの解読に苦しんでいました。そんなエニグマの解読装置を作り上げたのは数学者アラン・チューリング。この作品で描かれるのは降りかかるスパイ疑惑、当時重罪とされた同性愛など数々の不穏の中もがいた彼の半生を基にした作品です。

 

 

  まさか間を空けずにカンバーバッチの作品を観ることになるとは思ってもみませんでした。

  物語自体が1950年代、強盗に押入られた数学アランの回想として描かれる今作。さらにその回想もいじめられ続けていた少年時代とエニグマ解読時代に分かれています。エニグマ解読時代はアランの自己中で周りを一切気にしない出だしから始まり視聴者にも同僚にも良い印象を与えないものの、挑戦するタイプの物語らしく、ともにぶつかり合う内に絆が深まってゆく爽快感があります。しかし実話を基にしただけあり、物語は全然上手く進展せず、むしろやるせなさや切なさが圧倒的に多く、厳しい時代であったことを強く感じます。

  そしてすごいのがカンバーバッチの演技!僕は自分にその方面の知識がないことも相まって演技力にどーのこーの思うことはあまりないのですが、そんな僕ですら感じるほどの演技力の高さが非常に魅力です!やはり一番スゴイのが物語ラスト近くでしょうか。裁判所により去勢されることになった後の演技は思わず見入ってしまいます。

  また、この作品は後日談もゾワッとくるものがあります。僕は、ノンフィクション作品の「その後彼はウンタラカンタラ」みたいな一文がとても好きなのですが、今作のそれは非常に良いです。始めの方の「チューリングは2013年にエリザベス女王によって死後恩赦を与えられた」という文章も良いのですが、それよりもゾワッときたのが最後の方に流れた「チューリングの成果は"チューリング・マシン"の研究へと繋がった。それは現在〇〇〇〇と呼ばれている」という文章が「おぉ…」というため息が出てしまうほどでした。

 

  影から戦争の勝利へ導いた男たちの努力と哀しみの物語、評判に違わない面白さでした!

「時として想像もつかないような人物が、想像もできないような偉業を成し遂げる」