新米の一歩目

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絶望も、哀しみも背負って

LOGAN/ローガン (字幕版)

 「ローガン」(原題 LOGAN) 主演 ヒュー・ジャックマン 

 

 

あらすじ

  2029年。新しいミュータントが生まれなくなって久しい世界。ある日、かつてウルヴァリンと呼ばれた男とチャールズは"新しいミュータント"である少女ローラと出会う。ウルヴァリンの遺伝子を継いだ少女ローラを守るため、最後の戦いが幕を開ける。

 

概要

  遂に公開されました、ヒュー・ジャックマンウルヴァリンを演じる最後の作品「ローガン」。依然紹介したコミックス「オールドマン・ローガン」の世界観を基に作られた作品です。登場するメインメンバーはローガン、90代の老人となった…しかしながら若かりし頃より髪があるチャールズ・エグゼビア。コミックスに比べてはるかに小さく…幼く…ちびっこになったX-23ことローラ・キニーです。世界観の影響もあるのか、一般的なヒーロー映画と比べ遥かにシビアな世界を描いています。

 

そこにあるのは、決してヒーローの姿ではない

  ヒーロー映画であってヒーロー映画とは大違いな今作。描写されるのはこちらの気が休まらない程に現実的な"逃亡者たち"の姿です。"シビアな現実"…この映画の魅力はその部分にあります。

 

死にゆく肉体。限界の中に生きる

 ヒーロー映画におけるヒーローとはその名の通り”ヒーロー”です。ピンチに駆け付け、悪を討つ。そこに至るまでに悩みや苦しみを抱えたりするけれどそれでも自分を犠牲にして、人々の平和を守るんです。その方程式があったからこそ、それとは外れた”シビル・ウォー”が衝撃作だったんですよね。

 今作のヒーローたるローガンもまた、それとは”外れた”存在です。自己犠牲って点では同じかもしれません、ヒーリングファクターを失い、自身も死に向かって歩んでいるなか、それでも恩師たるエグゼビアを守ろうとしているのですから。しかしその他は本当に外れた存在。人々の希望ではないのです。まぁ、ウルヴァリンらしいっちゃあらしいのですけどね。

 

敵もまた、強力

 今作は敵であるトランジェン研究所のメンバーはかなり高い精度でローガン達を追い詰めます。その精度の高さを分かりやすくいうと…「この映画には笑える部分はほとんどないし、安息も僅かしかない」といったレベルです。それほどまでに容赦がないです。容赦のなさはそれだけじゃあありません。作中、ローラが小さい女の子だからって容赦されることはありません、平然と出血します(ヒーリング・ファクター持ちですが)。作中、登場人物の命はあっけなく散ります。フィクションならではのしぶとさや奇跡なんてのは皆無です。しかしそんな世界だからこそ、生にしがみつくミュータントの姿は美しく、また、自分の犯した殺人の罪(それがたとえ正義であっても)の重さや絶望の苦しさがビシビシと伝わってくるのです。

 

まとめ

  クズリは最後に何を残すのか、是非、劇場に足を運んでみてください。