新米の一歩目

就職をきっかけに本当にやりたいことを見つけた新卒、映画の魅力を人に伝える仕事のために邁進!アメコミ、映画、海外ドラマ、ゲーム、散歩、いろいろ好き。

皆彼の優しさを知るべきなのだ

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「好きにならずにはいられない」(原題 FÚSI)主演 グンナル・ヨンソン

 

  主人公の名前はフーシ、空港の地上勤務で荷物の機内運び入れ業をしています。太っていて、女性経験もなくて、毛も薄くなってきて、そしてオタク気質。職場では同僚に虐められているという散々な人生。あるフーシの誕生日、彼はダンス教室の入会券をプレゼントとしてもらいます。乗り気じゃないフーシ。渋々ながらダンス教室に向かうものの、やはり挑戦する気にはなれず、教室の駐車場で時間を潰します。やがて崩れていく天気、ふと外を見るとダンス教室から出てきた女性がこちらに向かってきています。「吹雪が強くて帰れないの、送ってくれない?」それがフーシとシェヴンの出会いでした。シェヴンはフーシにダンス教室に来るよう誘い、だんだんと行動を共にし始めます。フーシもシェヴンを喜ばせようとあらゆることをします。しかしある日突然、シェヴンの様子がおかしくなります。はたして、シェヴンに何があったのか、そしてフーシとシェヴンの恋の行方は…

 

 アイスランドを舞台にしたラブロマンス映画。彼女いない歴=年齢のまま歳を重ねた中年の気弱なオヤジフーシのピュアな恋愛を描きます。なお、あくまでラブロマンスであってラブコメディではありません。というよりコメディ要素は皆無です。

  今作の主人公であるフーシはまさに「子どもがそのまま成長したような大人」です。彼ののめり込んでいるのは第二次世界大戦のエジプトでの戦いのジオラマ作り。友だちとサイコロを振っているシーンがあるのでTRPG的な遊びなんでしょうか?あとはラジコンなんてのも嗜んでいます。また、階下にすむちびっこの女の子に懐かれ、度々一緒に遊んだりもしています。まぁ当然ちょっとした問題になっちゃうんですけど。ともかく、そんなフーシなのですが彼の周りにいる大人達は結構大人気ない大人が多いです。フーシの様に子どもの心を持った大人ではなく単に大人気ない汚い大人ですね。そんな大人達に対してフーシはひたすらに認め、受けいれ、尽くします。正直、フーシはもうちょいキレても良いんじゃないかと思ってしまうほどに優しいです。それほどまでにフーシへの風当たりが強いんです。最後の最後に登場人物達がフーシの優しさに気づくだとかいった展開も無ければ、溜めに溜めたモヤモヤを爆発させる事もないので、フーシのこの先が本当に心配になってしまいます。

   この物語、もちろんどの様な終わりを迎えるのかはここでは書きませんが、正直ハッピーエンドではないです。そうなってしまうと考えてしまうのが"どうやったらフーシが幸せになれるのか"ということ。フーシは素晴らしい…素晴らし過ぎる人間性を持ったキャラクターです。なのに終始恵まれていないのが本当に不憫で仕方がない。作中で失っているものが多過ぎるんですよ!報われなさ過ぎるんですよ!あまりにも報われないが故にどうしても彼の未来を想像してしまいます。

 

  ここ最近北欧系の映画をぼちぼちみている(気がしている)のですがハリウッド化しつつあると言われている北欧映画作品とは真反対に「あー…ぽいなぁ」と思ってしまうほどに北欧系らしい作品でした!