新米の一歩目

就職をきっかけに本当にやりたいことを見つけた新卒、映画の魅力を人に伝える仕事のために邁進!アメコミ、映画、海外ドラマ、ゲーム、散歩、いろいろ好き。

どんな人生にも、山があって谷がある

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 「愛しのグランマ」(原題 GRANDMA) 主演 リリー・トムソン

 

  50歳を目前にした同性愛者エル・リードの元に孫娘のセージがやってきました。セージがエルに放った言葉、それは「600ドル欲しい」というもの。突然大金を求めるセージを怪しんだエルは彼女から理由を聞き出します。するとなんとエルは自信が妊娠してしまった事を告白しました。エルが大金を求めたのはその中絶費用が欲しかったからでした。セージは怖い母親には相談できず、エルを頼ったのでした。

  しかしエルもまた手持ちにお金が無かったのでした。中絶手術が始まるのはその日の午後5時、エルとセージはそれまでにお金を集めようとエルの交友関係をあたって回ります。果たして、2人に訪れる結末とは…

 

  人生の苦さが詰まった一本

  本作で描かれるテーマは中絶手術という、とてもじゃないけれどいい出来事とはいえない物です。セージは自身に起きた出来事に悲劇に落ちこんでいます。誰にも相談出来ず、しかし体調は悪くなる一方、どうしようもない不安でいっぱいです。もうどうにもならなくなって、母が嫌悪している祖母の元にやってきたのでしょう。しかし祖母はお金を全く持っていないばかりか、破天荒でむちゃくちゃで暴力的で…セージはさらに不安に苛まれることになります。

  しかし人生の苦さが描かれるのはセージだけではありません。エルもまた、人生の苦さを味わうのです。エルはセージのためにお金を工面しようと努力します。しかし破天荒な過去はエルに優しくありませんでした。納得いかないことがあるとすぐに怒り出してしまうため喧嘩になったり、元夫に意地を曲げて謝ってまでお金を工面しようとするものの失敗したり…しっぺ返しという訳ではありませんが、気持ちのいいものでもないです。

  

  この映画が最後にどんな終わり方を迎えるのか、予想できるとは思いますが、万事解決という訳にはいかないです。セージが中絶を選んだとしても、選ばなかったとしてもその選択は確実に彼女の人生を、人生観を変えるでしょう。後半、セージとエルはセージの母の元を訪れることになります。親子3世代は共に仲が良いとは言えないです。しかし、この事件をきっかけに3人の絆はちょっぴり深まります。まだ完全に仲良くはなれないでしょう。もしかしたらまた3人の間に亀裂が入ってしまうかもしれないです。セージはエルが元夫とキスしている姿を見てしまいましたしね。でもそういった万事解決じゃないところが"人生を描いている"ように感じます。"等身大の姿"を描いているように感じます。