新米の一歩目

就職をきっかけに本当にやりたいことを見つけた新卒、映画の魅力を人に伝える仕事のために邁進!アメコミ、映画、海外ドラマ、ゲーム、散歩、いろいろ好き。

僕がこの世界にいる意味。

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世界から猫が消えたなら」主演 佐藤健

 

  それは突如起きた。いつまでも続くと思っていた日常は瞬く間に崩れ去った。悪性の脳腫瘍により「僕」の人生はいつ終わってもおかしくない状況に陥った。

  「僕」が家に帰ると、目の前に「僕」と同じ顔の男がいた。「悪魔」と名乗った男は「僕」の人生が翌日には終わることを告げた。回避する方法はただ1つ、悪魔と契約すること。

  悪魔との契約……この世から何か1つ無くす代わりに寿命を1日延ばす契約。「僕」は悪魔との契約を結ぶことを決意した。始めに悪魔がこの世から消し去ると告げたのは"電話"だった。

   翌日、電話がこの世から無くなる日。「僕」が最後に電話をする相手に選んだのは映画館で働いている元恋人である「彼女」だった。母の死をきっかけに疎遠になった父親へ連絡したかったが、出来なかった。「彼女」とは間違い電話がきっかけで知り合った仲だった。そんな「彼女」と日々を楽しく過ごしたその夜、再び悪魔が現れ、電話をこの世から消し去った。電話の消滅をきっかけに、彼女との関係も全て消え去った。悪魔は次に"映画"を消し去ると告げた。

   「僕」と親友のタツヤが出会ったきっかけは映画だった。毎日映画漬けの映画オタクタツヤから映画を借りるのが2人のお決まりの日課だった。「彼女」からの間違い電話がただの間違い電話で終わらなかったのも、タツヤが貸してくれた映画があったからだった。「僕」はタツヤの元を訪れ、自身の死を告白した。タツヤは「僕」の為の映画を見つけられないまま、映画は消滅した。そして……タツヤとの関係もこの世から消え去った。

  果たして、本当にそれらより命の方が大切なのだろうか…

 

  

  ちょっと久々な気がする邦画です。まぁ投稿する映画を見ている裏側でTRICK見てましたけど。ラストステージだけ見てないです。映画館で見ましたがあれはドラマから見てないと楽しめない…

  と、まぁTRICKの話はともかくとして、「世界から猫が消えたなら」です。原作は川村元気による同名の小説で。映画では佐藤健が「僕」と「悪魔」を演じました。

  「素晴らしき哉、人生!」で自分が存在しなかった場合の世界を見るという展開がありますが、今作は自分ではなく周りのものがなかったら。「僕」は「悪魔」に唆されるままに、自らの寿命1日と引き換えに世界から何か1つを消してゆきます。ちなみに、消すものは「悪魔」の判断に依存しており、別の物を提案しても「へぇ〜、君は水や食べ物より映画が大切なんだあ?」って具合に責められます。

 

「悪魔」が何かを消す行為は消したその時からそれが存在しなくなるわけではなく"そもそも存在していなかったこと"になります。消えるときはそれが粘土のように溶けたり、みるみる看板やお店の商品が回転して変わっていったりと見ごたえがすごいです。そして"そもそも存在していない"世界は人の人生を大きく変えます。タツヤは映画が無くなった世界では本の虫でした。映画だったからこそ「僕」はタツヤに声をかけ、親友になりました。ずっとひとりぼっちだったタツヤの人生は「僕」の存在によってより一層輝きたのでしょう。それほどまでにタツヤにとっての「僕」は大切な存在でした。それは"最後の一本"を選ぶタツヤの姿からもよく分かります。

  では、この世界に必要のないものってなんなんでしょうか?過去は残っていて、この瞬間から消えるのであれば、消えても問題ないものはあるかもしれませんね。記憶は保持されるし。ですが、"そもそも存在する必要のないもの"なんてものはこの世に存在するのでしょうか?…しないでしょうね。そんな事はみんな分かっています。普段意識しないだけで、考える時間があれば皆そこへ行き着くでしょう。しかし、「僕」は余命わずか1日という状況にいます。そこに悪魔が囁くのです。

「それは命より大切なのか?」と。

  たしかに悪魔の言葉は間違ってないのです。命あっての物種、死んだら元も子もない。命と比べたら大切なものって少ないのかもしれないです。そこで僕たちは果たして消さない選択を出来るのでしょうか?

 

  過去と現代が混じり合い、感動のラストを飾る

  この物語は消えるものをきっかけに「僕」の過去が少しずつ明かされてゆきます。過去と現代を行ったり来たり、一見混乱しそうですが、そんな事はなくすんなりと頭に入っていきます。なのでしっかりと「僕」に感情移入できます。

 そして感情移入が出来たからこそ、最後のシーンはすごく、すごく心に響きます。どデカい感動ではなく、じぃーんと染み渡る感動があります。

「自分が死ぬ前、会いに行ける人は居るかな…」

思わずそう考えてしまいました。