新米の一歩目

就職をきっかけに本当にやりたいことを見つけた新卒、映画の魅力を人に伝える仕事のために邁進!アメコミ、映画、海外ドラマ、ゲーム、散歩、いろいろ好き。

声は届かなくても、想いはきっと

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「エール!」(原題 La famille Belier) 主演 ルアンヌ・エメラ

 

  フランスの田舎町で牧場を経営する家族と共に生活するごく普通の少女ポーラ。しかし彼女の家は少しだけ特殊でした。ポーラの家族は皆揃って聴覚障害者だったのです。ポーラだけが唯一聴覚障害ではなかったため、ポーラは家族の耳として日頃から家族と共に生活していました。

  そんなある日、ポーラに人生の転機が訪れます。彼女はコーラスの授業で歌の才能を見抜かれたのです。パリで開かれる国営ラジオ局のコンテストで見事優勝すれば、ポーラはパリの名門で歌を学ぶことができます。しかしポーラの歌を聴くことが出来ない家族はポーラの挑戦を反対、そればかりか歌の練習を優先し、市長選に立候補したばかりの父を手伝えないことに憤慨します。

  家族と夢、自分の才能を捨てるか活かすか…果たして、ポーラの選択は…

 

   フランスの映画「エール!」です。歌に目覚めた少女と音のない世界で生きる家族が一歩歩み出す物語。感動の一作となっています。ちなみにNetflixのタグはコメディ…ほんと謎。

 ストーリーとしてはパリに行ってからの話ではなく、"パリで生活することになるかもしれない"という状況に揺れ動く少女の姿を描いています。思春期の頃合いを非常に巧みに描いており、小さな事柄にもいちいち一喜一憂し、葛藤する若者の姿が描かれています。そして、アダルトなわけではないですが、性への目覚めも描かれており、心身共に大人へと一歩踏み出す若者の姿も見ることが出来ます。

  大人への一歩、大人への一歩と何度か述べてまいりましたが、今作で成長を果たすのはポーラの家族みんなでもあります。事情が事情なだけあって、やはりポーラの存在は他の家庭より大きいこの一家、本業であるチーズの販売も接客はポーラ、選挙に関してもポーラの比重は非常に大きいです。そのためもあって、ポーラの夢への挑戦への反対は激しいもの。まぁ仕方がないといえば仕方がないですが…フランス人ってこんなに子供っぽいんですかね?なんか両親ともにびっくりするくらい感情に正直です。ポーラが歌の練習をしていると知ったとたん普段の手伝いも拒否ったりね、極端か。まぁ両親もいつかはこんな日が来るとは思ってたんでしょうが、予想以上に早かったからこんなぎこちない態度になってしまったんでしょう。

 しかしそんな両親がどう娘の成長を受け入れるのか、是非期待して見てほしいです。もちろん、突然聴覚が良くなるなんて奇跡は起きません。だからこそどう描くかが見ものってもんです。

 

  フランスが贈る感動の一作、是非、見てみてください。