【アメコミ感想】オリジナル・シン
あらすじ
宇宙のあらゆる出来事を観察し、その目に焼きつけてきた静かなる観察者ウォッチャー。月面の居城から地球を見つめ続けてきた彼が殺害される事件が発生した。人智を超えた全能者である彼を殺害したのは誰なのか?その動機は?真相究明に乗り出したヒーロー達を待っていたのは、自らが封印してきた「罪」の数々だった……。
マーベルユニバースの暗部を暴く問題作、ついに登場!
本書帯より引用
概要
推理モノ風に物語が進む今作。殺されたウォッチャーの犯人を探すことがメインのストーリーなのですが、大問題は盗み出されたウォッチャーの眼球にあります。ウォッチャーの眼球……そこにはウォッチャーが観察し続けてきたありとあらゆる情報が詰まっています。それが盗み出され、爆弾として解き放たれた結果は計り知れないほど大きいのです。あるものは忽然と姿を消し、あるものは突然恨むべき相手を知ります。そんな絶望的な状況の中動き出す2つの勢力、一つはアベンジャーズ。もう一つは、それぞれでチームアップしていたようで、ある人物に導かれて集結したDr.ストレンジ、ガモーラ、アントマン(ラング)、ウィンターソルジャー、ブラックパンサー、パニッシャーという面々です。ちなみに、今作ではビッグネームのヴィランは出てきません。出てくるヴィランは超マイナーキャラのオーブ、マイダス、エクスターミネイトリクスというキャラクター。あとは雑兵として、今作の事件の余波で感情を持ってしまったマインドレス・ワンです。正直、マインドレス・ワン以外初耳。
余波
さて、そんな今作はある2人のキャラクターに大きな影響を与えることになります。1人目はフューリー。サミュエルじゃない方、初代のフューリーは老化防止薬を失い、老いた姿で登場します。今作ではフューリーが裏で行い続けてきたことが明かされます。それは"侵略を試みる異星人を人知れず殺害し続けていたこと"。ちなみに、ストレンジらチーム2を裏で操っていたのも彼で、目的は後継者探しでした。最終的にフューリーは死亡し、彼の座はウィンターソルジャーが継ぐことに、ウィンターソルジャーの新シリーズが始まります。解説書にはフューリーをjrに移行させるためとありましたね。
そしてもう1人、それはソーです。最終的に武装した老フューリーとアベンジャーズは望まぬ形で戦闘することになります。しかしウォッチャーを通してメンバーの秘密を持ったフューリーは強い。アイアンアーマーの強制上書きコードを唱えてアイアンマンを地上に送り返したりします。その中でフューリーがソーにした事、それはある秘密をソーに伝えるという事でした。それを聞いたソーはムジョルニアを持つ資格を失います。アンワーシーソーのスタートはここなのですね。
その後、残されたムジョルニアはジェーンが手にし、新生ソーが生まれるのですね。
コミックスに描かれている重要な秘密と影響はこの二つですが、タイ・インには他の余波も数多く描かれています。シルクの存在(ピーターと同じ蜘蛛に噛まれていた少女)や、ソーの妹アンジェラの存在、インカージョンの際にイルミナティの作戦に反対したキャップの記憶を消したことなどですね。大型クロスオーバーとして舐めてかかれない余波が描かれていますね。
かなり長いこと気になっていたオリジナル・シン、期待通りの面白さでした!