新米の一歩目

就職をきっかけに本当にやりたいことを見つけた新卒、映画の魅力を人に伝える仕事のために邁進!アメコミ、映画、海外ドラマ、ゲーム、散歩、いろいろ好き。

性別の狭間で

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リリーのすべて」(原題 THE DANISH GIRL)

主演 エディ・レッドメイン

 

  アイナーとゲルダのヴェイナー夫妻はデンマークに住む仲の良い画家夫婦だった。アイナーとは違い、ゲルダの絵は中々評価されなかったが、それでも2人の仲は良かった。

  ある日のこと、ゲルダの絵のモデルが来れなくなってしまい、代わりにアイナーがストッキングを履いてモデルとなった。その姿を見た友人のウラは、アイナーを「リリー」と呼んだ。

   

  きっかけは、あるパーティだった。パーティに参加したがらないアイナーをなんとか参加させるため、ゲルダ

「リリーとして参加してはどうか」

  と提案した。

  アイナーは短い期間で女性的な仕草を練習し、リリーとしてパーティに参加した。

 

  それ以来、アイナーの中でリリーの存在が膨れ上がっていった。リリーの時間が増え、パーティにいた男に密会するようになり、次第に絵も描かなくなっていった。ゲルダは心配し、アイナーを病院に連れていったが、診断結果は"精神疾患"というものだった。

  一方で、ゲルダの描いたリリーの絵は評価されるようになっていった。パリで個展を開く事になり、2人はパリへと渡った。その地で、リリーは人生の大きな転換期を迎える事になる。

 

  

  史実を元にした同タイトルの小説を映画化した本作。ちなみに、同タイトルなのは英題のみで、邦題の原作は「世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語」というものです。そう、この物語の主人公、リリーは実在する人物で、世界で初の性別適合手術を受けた人物なのです。

 

  エディ・レッドメインの演技が光って光って光りまくる。

  今作で主人公リリーを務めるエディ・レッドメイン。最近ではTOHOシネマズのCMで見かけますね。ファンタスティック・ビーストシリーズの主人公ですからね。

  そんな彼、確かに中性的な顔立ちをしている彼ですが、冒頭はしっかりと男性をしています。まぁ普段男性ですからね、それが徐々に女性的になっていく過程が本当に見事です。どれくらい見事かというと、登場人物だけでなく我々視聴者から見ても普通に女性に見えるくらい。それはリリーがアイナーの姿をしていてもです。瞬きや動作、表情全てが違和感なく女性です。

  ちなみに、これがリリー(エディ)

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で、本物のリリーはこんなお方

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です。また、ゲルダが描いたリリーはこんな感じ。

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  性別適合手術…今となっては、様々な人の個性や一人一人のその人そのままが認められる世の中ですが、当時は今よりもっと苦しい決断だったでしょう。なんてったって1930年代の話ですからね。さらにそれだけでなく、史上初の手術、前例がない手術なのですから、恐怖なんてもんじゃありません。それでも手術を受ける決断をしたというのは、リリーにとっては自身の性を偽り続ける方がよっぽどの困難だったのでしょう。手術を受ける際、

「リスクは分からない」

と言われた後のリリーとゲルダのそれぞれの反応の違いがそれを良く表しています。

  また、当時は今より苦しい立場と上述しましたが、当時の手術(性別適合手術ではなく、精神疾患に対する手術)もなかなかの強烈。放射能を当てとけばとりあえず治る理論だったり、脳に穴を空けて直そうとしたりと、かなり強烈です。

 

 

  恋愛映画のジャンルではありますが、恋愛重視ではなく、夫婦を超えた夫婦の絆を描く感動のヒューマンドラマです。現代に生きる僕たちだからこそ見るべき作品なのではないでしょうか。