【アメコミ感想】Ms.マーベル:スマホ世代とか言われても
あらすじ
インヒューマン遺伝子を発現させる「テリジェン・ボム」を浴びた瞬間、ジャージーシティに住む16歳のムスリムの少女、カマラ・カーンの人生は一変した。
平凡な高校生だった彼女は、夢にまで見たスーパーパワーを手に入れたのだ!
悩み多き日常の中、周囲の人々のために立ち上がった彼女は、憧れのヒーローにあやかり、Ms.マーベルを名乗る。だが彼女の情熱にもかかわらず、正義の道は平坦ではなかった……。
鮮烈なデビューを飾った新世代ヒロイン、第2弾登場!
本書より引用
前作
概要
さて、新世代ヒロインシリーズとして展開されたMs.マーベルの最新刊が発売されました。待ってたよぉ〜。来月グウェンプールが3巻、4巻同時発売する事を考えれば、悲しい需要の差を感じます。最後の1人のリス子ちゃんことスクィレルガールが1巻しか出てない事を考えれば2巻が出てくれて本当に良かった。
VSインベンター
さて、今回も前回に引き続きトリ頭インベンターさんとの対決が描かれます。インベンターさんアニメ化もしてるからね、フューチャーアベンジャーズで。
「Marvel Unlimitedより引用」
エジソンのクローンである鳥のインベンター。彼の目的は攫った若者達を電池として利用することです。上の画像でカプセルに入ってるのが電池になってる若者たちね。インベンターは若者を使ってロボットを動かしたりします。エジソンだからかは不明ですが、しっかりカマラを研究しており、親友のナキアを電池にしたり、カマラの細胞に呼びかけて能力を封じたりしてきます。
本作のテーマ
しかし、なにより大切な今作の主題、それはは"若者"の考え方です。本書についている解説書によると、現在、アメリカにおけるコミック読者層は30代がメインだそうです。そんな中で生み出されたのが、映画作品を見て興味を持った若者を取り込むためのキャラクターMs.マーベルです。その為、カマラはインヒューマンとキャプテン・マーベルという歴史の長いワードでありながら完全に新しいキャラクターとして仕上がっています。そして、そこで展開される物も、"若者に共感を呼びかける事ができ"、かつ"現在の読者層に世代の考え方の違い"を知らせるものになっています。
では、具体的にどう描かれているのか。例えば、今作で電池になった若者達は、実は自ら望んで電池になっています。何故かというと、彼らは自身に価値がないと考えているから。世間の若者叩きを鵜呑みにして、その考え方はどんどん加速してゆきます。人口密度はとっくに限界に達しているこの世の中で、価値のない自分達が世間に、社会に貢献するためには動力源(=電池)になるしかない、と考えてしまっているのです。
もちろん、全員が全員そういう訳ではないでしょう。ですが、スマホで簡単に色々な失敗談を見る事で、自身の価値を見失い、自分に世界は変えられないと考えている若者が実在するのもまた事実です。インベンターはそこに漬け込み、一方でカマラはその考え方を打ち破る存在として描かれるのです。
カマラを彩るヒーローたち
さて、少し難しい話はここまで。もちろん、これはアメコミなのですから、コミックスとしての楽しさも十分に描かれています。今回の見どころは1人じゃなくなったヒーローとしてのMs.マーベルです。例えば、チームアップとしてウルヴァリンが登場して喜んだり。
「Marvel Unlimitedより引用」
ストライク・フォースで遊んでいる方なら思った事があるかもしれません。
「何故ロックジョーと一緒に登場するの?」
それも今作で明かされています。
「Marvel Unlimitedより引用」
ウルヴァリンはスポット参戦の仲間ですが、ロックジョーはガッツリと共闘してくれます。
足置きマットジョー(下の画像)好き。
「Marvel Unlimitedより引用」
ちなみに、ウルヴァリンはカマラを結構気に入っており、共闘後にはジャイロ(ギリシャ料理、羊なのでカマラも食べれる)を奢ってあげたりしてます。しかもジャイロ食べてるところを写メってキャップに送ってますからね。もちろん、新しいインヒューマンを見つけたという報告のためですが、キャップですら人嫌いのウルヴァリンがこんな事をする事に驚いています。
今作で一応インベンターとは決着がついてしまっているので、3巻が出るか微妙なのが残念なところ、頼むから出て欲しいです。3巻はロキたん登場しますからね。
「Marvel Unlimitedより引用」
- 作者: G・ウィロー・ウィルソン,ジェイク・ワイアット,エイドリアン・アルフォナ,秋友克也
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2018/08/31
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