あれから15年、時が経つのは早すぎる
はじめに
2001年9月11日、アメリカで同時多発テロが発生し、多くの死者が出ました。当時は日本でも報道され、ジェット機がワールド・トレード・センターに衝突したというニュースは世界を震撼させました。僕はまだ小学校低学年であり、その悲劇のもたらすショックの大きさは理解しておりませんでしたが、それでもやはり、テレビでそのニュースが流れていた当時の事をなんとなく覚えています。
そこで、本日はそんな9.11事件と関係のある作品の感想です。
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」(Extremely Loud & Incredibly Close) 主演 トーマス・ホーン
概要
実は今作は劇場公開時に見たので2度目の視聴、ですがいま見ると結構思うことが違っていました。
9.11テロに巻き込まれ大好きな父を亡くしたオスカーが、父の遺品からどこかの鍵をみつけ、その鍵に合う鍵穴を探してニューヨーク中を旅する作品。9.11がもたらした喪失感ややりきれない気持ち、どこへ向ければいいのか分からない怒りなどが見事に表現されています。
ですが、ちょっと難しいというのが正直な感想。まず、上記の表現がなされているのいうのはオスカー役のトーマス・ホーンやその母リンダ役のサンドラ・ブロックの高い表現力、演技力からしっかり伝わってきます。しかしそのリアリティはやはり災害などで大切な人を亡くした人にしか分かり得ないです。
そして次に難しいのがオスカーへ感情移入し辛いというのがあります。オスカーは頭のいいものの少し変わり者の少年。父の死により怖いモノが増え、パニックになりやすい少年です。しかしそんなことよりなによりオスカーを好きになれないんですよね。変わり者であるとか、父を亡くしたからとかあると思うんですけど、それを差し引いてもうーんと思ってしまうほど自己中心的な男の子です。他の人がツラいとか眠いとかそんなの全然気にしない、ガンガン踏み入れてくる、しかも自分が怖いと決めつけたことには異常なまでに避け、過剰な防衛行動に出る割に下に見た人にはすごく不遜な態度。正直、出会った人々が優しくて良かったねと言わざるを得ないほどです。
逆にすごく素敵なのがオスカーの母リンダ。物語終盤で彼女の行動が明かされますが、その際のオスカーとリンダが語り合っているシーンは本当に素晴らしい。愛に溢れており、少しウルっと来てしまいました。この映画は上記のオスカーとリンダが語り合うシーンを始めとした素敵なシーンはほとんどが終盤に集約されています。終盤では先ほど述べたオスカーのキャラクターも気にならなくなりますよ。
本日9月11日をもって、悲惨な事件から15年という月日が流れましたが、これを機にこういった作品に触れることで、悲劇を忘れないことや時には思い出すことをしてみてはいかがでしょうか?