【アメコミ感想】エンド・オブ・ヴェノムバース
あらすじ
並行世界のドクター・ストレンジに召喚され、シンビオートの宿敵ポイズンとの大戦に参戦したヴェノムは、多くの犠牲を出しながらもついに勝利を収めた。
故郷の世界に生還したヴェノムは、再び日々の戦いに身を投じたが、過去の並行世界からやってきた若きX-MENの接触を受ける。
それはポイズンとの新たな死闘の狼煙だった。
次元を超えてきたポイズンと、ヴェノムらマーベルヒーローの最後の戦いが始まる!
本書より引用
概要
さて、エッジに続きヴェノムバースをお送りいたします。今作は所謂”完結編”。本編のヴェノムバースのラストで登場したサノスをはじめとする大物ポイズンがなんとアース-616(基本世界)にまで進攻してきます。いままでスパイダーバースをなぞった展開でしたが、ここにきて多くのマーベルヒーローを巻き込んだオリジナル展開へと変遷するのです。ちなみに、量の都合からか、あらすじにある”ヴェノムが若きX-MENの接触を受ける”というくだりは含まれておらず、若きX-MEN(ブルーチームと呼ばれるメンバー、2013年にデビューしたアース-TRN240出身のチームで若いファーストファイブがメインメンバー)と共にクリンター(シンビオートの母星及びシンビオートの正式名称)に向かい、そこにクリンターがいないことでポイズンがやってきている事を知り、地球に戻ろうとしている時点からのスタートになります。
必見の一冊、マーベルユニバースの”今”が分かる。
正直、エッジ、本編共に”外伝感”が強かったヴェノムバースシリーズですが、ここにきてアース-616を舞台にしたことにより、作品の面白さが一気に加速します。今作が面白く、必見たらしめている最大の要素として、刊行されたのが最近というのが本当に大きいです。コミックスの翻訳というのはどうしても遅れてしまうものです。一番新しいメインストーリーがオリジナル・シン(2014年)、グウェンプールやMs.マーベルはそれより後とはいえ、個人誌。どうしてもそのキャラクターの情報しか入ってきません。今作、2017年に刊行されたヴェノムバースも本編までは同様でした、しかし、エンドに入り、アース-616をとしたクロスオーバーイベントに発展したことで、多くの情報を手にすることが出来る極上の一冊に変貌を遂げたのです。
エッジ、本編共に同様でしたが、ヴェノムバースの特徴として、新しいキャラクターの出番が多いものに仕上がっているというものがあります。ゴーストライダーとかね、そしてその精神はエンドにも継がれています。例えば、上記した若きX-MENのメンバーが中核を担っているブルーチーム。ちなみに、この時点で616のサイクロップスはインヒューマンズvsX-MENにて死亡しており、今作ではこちらの若いサイクロップスが大活躍します。登場する新しいキャラクターやチームはブルーチームだけではありません。リンボからNYに拠点を移したキティ・プライドがリーダーを務めるゴールドチーム。
今回イケメンなフラッシュ・トンプソンことエージェント・アンチ・ヴェノム
デビル・ダイナソーとムーン・ガール
今回、ポイズンは超人をポイズン化するため、一旦シンビオートに侵食させますので、カマラ・ヴェノム(上記デビル・ダイナソーも同様)
フューチャー・アベンジャーズでも活躍したキッド・カイジュウ
真ん中のでっかい虫(スクラッグ)の肩にいる少年です。ちなみにこの時スクラッグは人類にむかって
「野菜を食え!親に電話しろ!」
と言ってます。いいやつ笑
まとめ
…とまぁこういった多分邦訳版誌面初登場じゃない?といった面子がたくさん登場します。なので正直、エンドだけでかなり楽しい!もちろん、本編を読んだほうが楽しめるのですが、ヴェノムvsポイズンは本編がほとんどやりつくしており、エンドはなんというか…「アベンジャーズ+X-MEN:ヴェノマイズ」(ヴェノマイズはエンドに掲載されていたストーリー群の正式名称)って感じなんですよね、正直ヴェノムは正史のヒーローに喰われてます。ということで、これ一冊だけでも最近のマーベルユニバースを十分に楽しめる一冊でした!
- 作者: カレン・バン,イバン・コエリョ,ケビン・リブランダ,秋友克也
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2018/11/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る