新米の一歩目

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2つの嵐が、現実を歪めた

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「嵐の中で」(原題 Durante la tormenta) 主演 アドリアーナ・ウガルテ

 

 

あらすじ

 ある嵐の夜のことだった。ベラという女性はひょんなことから25年前に死亡したニコという少年とリンクし、彼に未来を伝えることで死の危機を回避した。しかしその結果、ベラの人生全てが変貌することとなった。

 

概要

 Netflixが贈る本格SF作品である「嵐の中で」。スペイン発の作品であり、かなり上質な作品となっています。片手間に見るような作品ではなく、どっしり腰を据えて見るような作品なので時間がある時に見ることをおススメします。

 主人公のベラを演じたのはアドリアーナ・ウガルテ。「情熱のシーラ」というドラマ作品の主人公シーラを演じた女優です。

 

 

2つの時間軸と1つの殺人事件を見事に融合

 今作ではニコが遭遇した殺人事件と、ベラが巻き込まれたタイム・パラドックスが物語の中心となります。それぞれどんな話なのかを説明しましょう。

 

改変前の世界

 そもそも、ベラが初めにいた時間軸ではニコは死亡した人物となっています。ある夜、叫び声を聞いて向かいの家に入ったニコは家主アンヘルが妻を殺害していた現場に遭遇、彼から逃げようとした矢先、車にはねられて死亡してしまいます。しかし、それがきっかけでアンヘルは逮捕されてしまいます。

 25年後、ベラはニコがかつて住んでいた家に住んでいました。ある日、ベラの夫ダビドがニコのビデオテープを発見。それを機にベラはニコやアンヘルの事件を知る事になります。

 

改変後の世界

 ベラがニコの死亡を避けさせたことで、ベラの人生は大きく変化することになります。バタフライ・エフェクトと呼ばれる事象ですね。

 改変後の世界ではベラはダビドと出会っておらず、結果として愛する娘のグロリアも存在していない世界です。そして、重要なことなのですが、アンヘルは捕まっておらず、完全な証拠隠滅により殺人事件も起きていなかった世界となっています。肝心のニコはベラの存在を忘れることが出来ないばかりか、事件後にアンヘルの邸宅へ侵入してしまいます。

 

 今作の舞台はこの改変後で、死を回避した後のニコのその後のストーリーと、元の世界に戻ろうと奮闘するベラのストーリーが並行して展開されます。どちらも改変後の世界であるため、その全てが伏線となり、見事に交じり合います。

 また、アンヘルが引き起こした殺人事件にも謎の余地が残されており、ニコが目撃したのにも関わらず、なぜ捕まっていないのか、などストーリーに深みを持たせています。

とにかく展開がスゴイ!

 今作では完成度が高いそのストーリー展開が非常に魅力的となっています。改変前の世界でされた会話やアンヘルとの馴れ初めなどがしっかりとストーリーの展開に関わっているだけでなく、アンヘルの殺人事件もしっかりと物語と絡み合っています。

 それだけに、物語の伏線が回収され始めた時は爽快感がすさまじいです。悲しいことに、僕はニコの正体に早々に気づいてしまったので、ニコの正体に関する部分では驚きはありませんでしたが、ニコの立場は完全に予想外でした。正体が分かる演出はかなり上手な描かれ方をしているため、こう、ぞわぞわというか、グワァァっとテンションが上がりますよ!

 このタイプの作品にありがちな事として、盛り上がるのは伏線が回収されるシーンだけだったりしますが、今作でテンションが上がのはそこだけではありません。というか、ダレそうなシーンは結構テンポよく展開されるので、非常にダレにくいです。強いて言えば、改変前のただの日常パートが若干退屈なくらいですかね。それ以外は、ニコとリンクしたシーンの興奮や、アンヘル邸でのニコのステルスチャレンジのドキドキ感など、見どころ盛沢山です。

 

まとめ

 Netflixが贈るSFミステリー作品。2時間としっかりボリュームのある作品ですが見ごたえ十分なので、是非見てください!!

 

 

バタフライ・エフェクト 世界を変える力

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