新米の一歩目

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【アメコミ感想】 インヒューマンズ

 インヒューマンズ (ShoPro Books)

 

 

あらすじ

声なき王ブラックボルトに迫る弟マクシマスの陰謀。インヒューマンズの首都アティランに侵攻する人類との壮絶な戦いが、今始まる!

成人の際にテリジェン・ミストを浴びて特殊能力を開花させる超人類インヒューマンズと、インヒューマンズを統べる声なき王ブラックボルト。

王の座を狙う弟マクシマスが、地下労働者達を率いてクーデターを画策する一方、地上からは人類が首都アティランへの侵攻を開始した!

内外からの攻撃を受け絶体絶命の危機に陥るインヒューマンズ。苦悩するブラックボルトは如何にして状況を打破するのか?そして物語は誰も予想しなかった結末を迎える……!

1999年にアイズナー賞を獲得した人気読み切り作品が初邦訳で登場。

 

本書あらすじより引用

 

 概要

  久しぶりのアメコミ感想です。今回は1週間ほど前、3月22日に発売したインヒューマンズをご紹介。少し前にDlifeでドラマも配信開始したインヒューマンズ。

 

http://shoindy.hatenablog.com/entry/2018/03/04/184312

 

コミックスでも登場し、色んなものの水面下でこっそりと日本に来まくっています。

 

インヒューマン入門書

  今作の読み切り12話は上記の通りアイズナー賞を獲得した作品という事だけあり、その完成度は折り紙つき。受賞したのは1999年という20年前の作品でありながら、絵柄、ストーリー共に古臭さを感じさせず、それでいて読み切りであるためこの一冊で初めから終わりまでしっかり楽しめる出来となっています。

  キャプテンアメリカかレッドスカルと戦うように、スパイダーマンがグリーンゴブリンと戦うように、今作で描かれるヴィランはインヒューマンズといえばのヴィラン"狂人"マクシマスです。ブラックボルトの弟でもある彼は今回、内外からの攻撃を画策します。"内"はアティランにおいて奴隷のように扱われている人口生命体アルファ・プリミティブを扇動し行った反逆、"外"は人類による侵略行動に導きます。さらに、マクシマス本人は女王メデューサを誘拐し、アルファ・プリミティブの労働する地下都市に連れ去ってしまいます。ちなみに、人類の侵略が可能となっている理由として、当時、アティランは月ではなく浮上したアトランティスに作られたため、地球上にあったからです。

 

戦わないヒーローの物語

  面白いのは、この絶体絶命の大ピンチにおいて、ブラックボルトが取った行動。ブラックボルト、なんとなにもしないのです。なにもしないというのは、自分が動かないという意味でなく、インヒューマンズ全体での行動指針としてなにもしません。侵略されるアティランを目の前にして、反撃の一切を禁じます。

 しかしそんなことをすると、当然のように市民に不満が募ります。破られたシールドの代わりに、フォースフィールドを張っているインヒューマンズや一般市民、果てはロイヤルファミリーであるゴーゴンやクリスタルでさえも、反撃をしない王に苛立ち、王への信頼が揺らぎます。しかしそれは王が王である事の責任の重さを誰よりも理解しているからこその行動なのです。反撃しないことによって得られるものがあるのです。まぁ目の前で故郷が襲われているのに反撃しないので、ゴーゴンらの気持ちも分かりますけどね。

 

  ちなみに、上記の理由から、本作はインヒューマン達がその能力を戦闘に使うシーンはまず無いです。能力を使ったとしても戦闘ではない上に回数も少なく、ブラックボルトに至っては一言も話しません。つまり今作は頭脳戦がメインとなるのです。しかし、それは地味という訳ではありません。圧倒的敗色濃厚な場面が突如、ブラックボルトが思い描いたレールの上に乗る快感、スカッとしてなおかつブラックボルトの凄さを改めて実感します。

 

まとめ

  インヒューマンズ、中々知る機会のないシリーズですが、今作をキッカケに興味を持てる方は必ずいるはずです!是非、手にとってみてください!

 

 

インヒューマンズ (ShoPro Books)

インヒューマンズ (ShoPro Books)