新米の一歩目

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【アメコミ感想】アベンジャーズ:ディスアセンブルド

アベンジャーズ:ディスアセンブルド (MARVEL)

 

 

あらすじ

 結成以来、世界最強の呼び名をほしいままにしてきたアベンジャーズ

  幾多の強敵を退け、数多の修羅場を潜り抜けてきた彼らだったが、遂に終焉の時が訪れる。

 何の前触れもなくアベンジャーズを襲う悲劇の数々。その真相を知った時、彼らは苦渋の決断を迫られる。

 果たしてアベンジャーズは存続させるべきなのか……。

 アベンジャーズの歴史に一つのピリオドを打った話題作が満を持して登場!

 

 本書より引用

 

概要

 現在、アベンジャーズのコミックスを読もうとすると大半の人が最初に手を取るのが「ニューアベンジャーズブレイクアウト」と呼ばれる作品。

ニューアベンジャーズ:ブレイクアウト

それはいわば”第一巻”でして、そこで結成されたアベンジャーズを主軸にシビル・ウォーやシークレット・インベージョン、シージなどに続き、AVXをもってひと段落となります。その次に手を取られやすいのがそのAVX後の新始動作品「アンキャニィ:アベンジャーズ:レッドシャドウでしょう。

アンキャニィ・アベンジャーズ:レッドシャドウ (MARVEL)

 

 では、なぜ第一巻のポジションである「ブレイクアウト」でアベンジャーズは”再”結成されるのかというと、”一度崩壊している”からなのです。解説書などを読むと、その”崩壊”は「アベンジャーズ:ディスアセンブルド」という作品内でスカーレット・ウィッチが起こした事件が原因であることが書かれています。そう、それこそが今作なのです。つまり今作は発売したてながら”シリーズのスタート地点としても楽しめる一冊”としてしあがっております。

 

インフィニティ・ウォーのはるか15年前、崩壊は一度起きていた

 今作で描かれるのはアベンジャーズの崩壊なだけあり、内容はあまりにも悲劇的で感傷的なものになっています。なんてったて始まって30ページの間に2度ド級の災害が起き、さらに大物ヴィランが現れてますからね。そんな大災害の前に、ヒーローたちはどんどんと崩壊していきます。シーハルクの暴走、ヴィジョンの自爆…アントマン(スコット・ラング)やホークアイの死…それは簡単に表現するにはあまりにも重く、辛い出来事です。壮絶な被害を前にかつてアベンジャーだった多くのヒーローが集まりますが、現実は黒幕のヴィランを倒せばいいなんて軽いものではありませんでした。

 

全てはスカーレット・ウィッチの暴走にある。

 やがて、事件のすべてはヴィランの仕業などではなく、仲間であるはずの、同じアベンジャーズの一員であるはずのスカーレット・ウィッチによるものだと判明します。

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 MCUでは物体を操る念力的な力を行使している彼女ですが、実はコミックスではケイオス・マジックと呼ばれる”現実改変能力”を持っており、頼りになる一方で非常に危うい存在です。彼女はヴィジョンと結ばれ、その能力をもってアンドロイドとの子をもうけます。しかしその双子はとある事情からメフィストによって吸収されてしまいスカーレット・ウィッチの師匠であるアガサは彼女から子どもの記憶を消し去ったのでした。しかし、やがてワンダは失われた双子の存在を知ってしまう事になり、その精神を暴走させてしまうのです。

 

注目は冒頭とエピローグ

 今作で注目のシーンはなんといってもエピローグのなんともいえないしんみりした感じ。そこでは生き残ったアベンジャーが死者へと手向けの盃をかかげ、それぞれの思い出を語ります。それはヒーローたちが思い出す”一番良かった時”の思い出。結成した時、キャプテン・アメリカを海から引き揚げた時、ワンダとヴィジョンの結婚など…素晴らしいのはファルコンのセリフでしょうか。

 

メンバーの半分が自分抜きの冒険を選んでら

内野外野は関係ねぇんだな。チームそのものが好きなのさ

 

本書より引用 

 

なんだかグッときますよね。そして、そのままストーリーはラストの見開きへと向かいます。この見開きがまたジーンとくる。なんというか、ヒーローたちへの、アベンジャーズへの人々の愛と、読者の、そして作り手の愛がグワっと伝わってきます。僕は思わず鳥肌が立ってしまいました。

 

また、完全におまけなのですが、最初の1ページ目が地味に注目です。というのも、この時代の、崩壊する前のアベンジャーズの日常が描かれているのです。ホークアイがバイパーに惚れてるって話をしてるだけなのですが、みんなの絶妙な悪口が良い味を出してます。ここ、注目です。

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まとめ

 邦訳コミックのシリーズを考えると第0巻といえる今作。絶望的なストーリーではあるはずなのですが、そこにはアベンジャーズへの愛が十分に伝わっている一冊でした。また、今から15年も前に、私たちがインフィニティ・ウォーで感じた絶望と、次の展開への期待を読者が感じていたと思うと感慨深いものがあります。これから本腰をいれてマーベルの世界を堪能してみたい方、とりあえず一冊”アベンジャーズ”を読んでみたい方は必見の一冊です!

 

 

アベンジャーズ:ディスアセンブルド (MARVEL)

アベンジャーズ:ディスアセンブルド (MARVEL)

  • 作者: ブライアン・マイケル・ベンディス,デビッド・フィンチ,オリビエ・コワペル,ジョージ・ペレス,アレックス・マリーヴ,スティーブ・エプティング,リー・ウィークス,マイケル・ゲイドス,エリック・パウエル,ダリック・ロバートソン,マイク・メイヒュー,デビッド・マック,ゲイリー・フランク,マイケル・エイボン・オエミング,ジム・チェウン,スティーブ・マクニーブン,御代しおり
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2019/04/12
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