これがアカデミー賞受賞作の実力!「スパイダーマン:スパイダーバース」感想
「スパイダーマン:スパイダーバース」(原題 SPIDER-MAN INTO THE SPIDER-VERSE) 主演 シャメイク・ムーア(日本語吹き替え担当 小野賢章)
あらすじ
町に住む少年マイルスはある日、放射性の蜘蛛に噛まれた。以来、彼は街のヒーローであるスパイダーマンと同じ能力を身に着けることになる。しかし、そんな時、異なる次元同士が混ざり合い、マイルスの元に様々な次元のスパイダーマンたちがやってきた。マイルスはピーターの遺した意思を継ぐべく、スパイダーマンとしての修行を始める…
概要
アカデミー賞受賞作で”史上最高のスパイダーマン映画”なんていう素晴らしい評価を受けまくっている最新のアニメーション映画「スパイダーマン:スパイダーバース」。全国のIMAXで先行公開されておりましたが、場所も時間も合わず本公開までお預けをくらっていました。ちなみに今回は珍しく吹き替え版での視聴。というのも、今作が公開するにあたって、YouTube上で数多くのCMが組まれていたのですが、その動画を見る限り、吹き替えがかなり良い感じだったのです。
CGアニメ?漫画?カートゥーン?コミック?不思議な世界観が癖になる!
今作は「スパイダーバース」と銘打っているだけあり、様々な次元からスパイダーマンがやってくるところがウリとなっています。そのため、次元の違いの表現からか、キャラクターの出身毎に異なる作画となっています。
マイルス・モラレス
今作の主人公マイルス・モラレス。彼を取り巻く作風はいわば王道的なCGアニメーション。同じ世界のピーターやグウェン、そして今作でマイルスの先生になる荒み切ったピーターもまたこの作風で登場します。では、なぜここで”マイルス”と明言したのか。それは、今作が”マイルスが主人公のコミックスをアニメーションに落とし込んだ”ものであるからです。初めこそはマイルスも普通の登場人物たる存在として描かれています。しかし、マイルスが蜘蛛に噛まれ、スパイダートーテムとなったその時から、マイルスのストーリーは動き始めます。マイルスの周りに、モノローグや効果音が現れ始めます。デッドプールのようにモノローグが認識できるわけでは無く、コミックスの表現がスクリーンに現れるのです。これはいわばコミックス風の作画ですね。
スパイダー・ノワール
1933年が舞台のユニバースからやってきたノワールは見ての通り白黒の世界出身。これは彼が黒ずくめだったりするわけでは無く、本当に白黒です。そのためか、何となく新聞記事っぽい表現が特徴的。好戦的ではものの結局はピーターなので、何となく甘いのが魅力的なキャラクターに仕上がっています。彼はストーリー中ある物と出会うのですが…そのある物をめっちゃ気に入ってて可愛いです笑
ちなみに、彼は今作に登場する前から人気のキャラクターであるので、PS4版のコスチュームに登場したり、MCU最新作「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」にノワールオマージュのコスチュームシーンが映ったりしています。
スパイダーハム
”蜘蛛に噛まれた豚”ならぬ”豚に噛まれた蜘蛛”なスパイダーハム。彼の出身はカートゥーンな世界観です。なので彼が腕を動かしたりするとカートゥーンならではの効果音が流れたり、どこからともなくハンマーを出したり、アクメ社製じゃね?と言いたくなるような錘を出したりと自由気ままま。いい匂いを嗅げば宙にだって浮けます。彼の表現はかなり過剰なので世界観の違いが分かりやすいかもしれないですね。
ペニー・パーカー
さて、お待たせしました。ええそうです。あえて最後に彼女を持ってきました。THE JAPANESE KAWAIIなコミックじゃなく漫画な彼女。アニメーションじゃなくてアニメな彼女。予告編で登場して以来検索数が爆上がりしたという噂もあるペニー・パーカーちゃんです。上述したとおり日本の漫画的作風での登場ということもあって攻撃する瞬間には漫画っぽい画風に変わったりします。また、唯一素顔をさらけ出して戦うキャラクターなので、くるくる変わる表情もまた漫画的。目で見て楽しいキャラクターです。ちなみにコミックスの時はエヴァンゲリオン風のユニバース出身というキャラ付けでした。SP//DR(ロボ)もまんまでしたしね。その時はここまで出世するとは思いもよりませんでした。
ヒーローとは?優しい感情にあふれる一作。
今作はマイルスがヒーローになるまでの物語。蜘蛛に噛まれ、いろんなものが指先にひっついてしまい(制御できないものらしい)、平穏な人生を失ったマイルスの周りを取り囲むのはスパイダーの先輩たちです。彼らはみなスパイダーとして活躍する一方、誰にも話せない能力の悩みを持ち、”皆を救う事はできない”という苦しみを経験した上でヒーローを続けています。
だからこそ、マイルスを思うからこそ、彼らは時に厳しく当たります。守れなかった人がいてもなお、立ち上がれるのか。それを厳しく伝え、それでいて温かく応援します。苦しみも、悩みも共有できる唯一の仲間たちですからね。それらのシーンはコミカルなキャラクター達の中に、ピーターの精神を感じる事が出来る素晴らしいシーンですね。
もちろんそれは先輩ヒーローたちにとっても同様で、彼らもまた、自分と同じ人がいた。というのが大きな助けになるのが素晴らしいです。先輩後輩だけではなく、仲間でもある事がよくわかりますね。
作品が伝えたかったこと
実は、今作のテーマは匂わせることなく、がっつりと書き記しています。それは、真のヒーローとはなにか?という主題。実は、それを受けたからこそ、僕は上の文では能力について一切を記しませんでした。
真のヒーローとは、困っている人に手を差し伸べる事が出来る人である
これが、今作の主題です。能力があるとか、特別であるかは関係ないのです。大切なのは、人を救いたいと思う心。そして、それを実行する勇気です。
まとめ
アカデミー賞を受賞した最新映画「スパイダーバース」。その評判通り”史上最高のスパイダーマン映画”といっても過言ではないですし、アニメーション映画の新時代を築き上げた一作でした。吹き替え、字幕共に楽しめる一作ですよ!!
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