欲望の代償
「トリプル・フロンティア」(原題 Triple Frontier) 主演 ベン・アフレック
あらすじ
トムを始めとした元特殊部隊のチームメンバー5人はある日、かつて彼らが追い続けていた麻薬集団から金を強奪する作戦に乗り出すことを決意する。
しかし、本当の試練は金を手に入れることではなかった。大金を手にした彼らに訪れる試練とは…
概要
Netflixが贈るアクション映画「トリプル・フロンティア」です。アクションではあるものの、すっきり爽快という訳では無い上、他の作品では到底描かれないであろう部分に焦点をあてた珍しい一作として仕上がっています。
主演はなんとベン・アフレック。さらに「スターウォーズ」シリーズでポー・ダメロンを演じたオスカー・アイザックも出演しており、以前も申し上げましたが、Netflixが今や一介の動画配信サイトでは無くなっている事を強く実感できるものとなっております。
絆?金?あなたはどちらを選ぶ?
さて、今作の物語は麻薬集団から大金を盗み出すストーリー。元特殊部隊という事もあってその作戦は恐ろしいほどあっさりと成功します。それどころか、金は予想していたよりもはるかに大金で、冷静なチームメンバーが欲望に駆られるほどの額を手にすることになります。
しかし、上述した通り問題が起きたのはその後…何が起きたのかというと…大金過ぎたのです。大金過ぎたことにより脱出用のヘリの高度が保てなくなったり、内通して協力してくれた女性を乗せるほどの余裕がなくなったりします。その度にチームは金を捨てざるを得なくなっていくのです。
そう、もうお判りでしょう、今作は「大金を持って帰るストーリー」なのです。そのため、面白いことにチームは麻薬集団の反撃を恐れて逃げているにも関わらず、麻薬集団の権力の強さだったり、残虐さはあまり前に出てきません。
また、この手のストーリーでは珍しいことに、自分勝手な奴がいないのも特徴的な要素。それぞれがそれぞれ、家族を楽にしてあげたいなど目的があるのにも関わらず、そういった人物が出てこないのは、部隊の一員として長年戦い続けてきた過去と、独りよがりは成功しないという長年の経験があったのでしょう。映画では安易に仲間割れさせることが出来る便利な要素なだけあって、それに手を出さないのは好感が持てます。しかし、そんな信頼で結ばれた5人だからこそ、無くなってゆく大金を前に”いつ不和が生まれてしまうのか”という緊張が伴っており、非常に見ごたえがあります。
まとめ
Netflixが贈る”アクションらしくないアクション”映画。今まで描かれる機会の少なかった部分をテーマにしているだけあって非常に新鮮で楽しめます。