新米の一歩目

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【アメコミ感想】ニューミュータンツ:デーモンベア

ニューミュータンツ:デーモンベア

 

 

あらすじ

 X-MENの人気が過熱の一途を辿っていた1982年。「能力を開花させたばかりの十代のミュータント」という初代X-MENのコンセプトと「世界各国から集まったメンバー」という新生X-MENのコンセプトを引き継いだ新シリーズ『ニューミュータンツ』が誕生した。

 先輩たちの敷いたレールを辿り順調なスタートを切った『ニューミュータンツ』だったが、ほどなく、X-MENの伝統どころか、コミックブックの枠をも超えた飛躍を開始する。新進気鋭のアーティスト、ビル・シンケビッチの起用である。

 読者の想定を遥かに超えた次元で展開するシンケビッチのアートは、後発の『ニューミュータンツ』誌を注目作に押し上げ、シンケビッチ自身、唯一無二の存在として、デビュー40余年を経ながらも、なおも第一線で活躍を続けている。

 本書は、シンケビッチの出世作「デーモンベア」編を中心に、その解決編である『X-フォース』を収録した完全版になる。シンケビッチがもたらした衝撃を改めて堪能されたい。

 

本書より引用

 

概要

 こんちは!Shoindyです!今回紹介するのは「X-MEN」の派生チームであるニューミュータンツが主役のコミック『ニューミュータンツ:デーモンベア』です。今年公開予定の映画に「ニュー・ミュータンツ」があり、元ネタであるため邦訳されたのでしょう。

 

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 本書では、デーモンベアというヴィランヴィランでいいのかは不明ですが詳細は後ほど)を主軸に、ニューミュータンツのストーリーと二つの顔のX-FORCEが収録されておりました。それぞれ特徴や見どころを紹介していきましょう。

 

ニューミュータンツって?

 そもそも、今作のメインであるヒーローチーム「ニューミュータンツ」とは何者なのでしょうか?結論を簡単に言ってしまえば新しい版のX-MENです。当時、X-MENがブルードという異星人に連れ去られた際、プロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアが新たに結成した若者チーム、それがニューミュータンツです。メンバーは狼に変身できるある意味狼少女ウルフスベーン、他人の精神を支配できるカルマ、最近のアベンジャーズ誌にもよく登場するキャノンボールとサンスポット、そしてネイティブアメリカンで、恐怖を形にすることのできるダニエル・ムーンスターなどで構成されておりました。

New Mutants: Back To School - The Complete Collection (New Mutants (2003-2004)) (English Edition)

 

 ダニエル・ムーンスターとデーモンベア

 上述したニューミュータンツのメンバーの中でも、今回メインとなるのはダニエル・ムーンスター(以降ダニ)。ネイティブアメリカンの少女です。ちなみに、映画でもブルー・ハントという女優が演じる予定で登場します。

 何故、彼女がメインなのか、それはデーモンベアはダニの両親を殺害し、さらにダニの悪夢に現れ、そして実体化した存在であるためです。今作ではそんなダニとニューミュータンツvsデーモンベアの戦いがアーティスティックに描かれます。

 

ダニvsデーモンベア

  ダニはデーモンベアに1vs1での戦いを挑みます。そもそも自分の前に現れる存在であることや、両親を殺害した存在であることなどから個人での戦闘を選びました。ネイティブアメリカンのメイクを施し、弓矢での討伐を目指します。しかし戦闘は敗北に終わり、異常事態を嗅ぎつけたニューミュータンツにより保護されます。この戦闘では雪山で遭遇したダニとデーモンベアのサイズを1ページにグワッっと描いているシーンが非常に印象的でした、敵の見た目はDCのゴリラ・グロッドのようにヴィラン的ではなく、ただのでっかい熊なんですが、このシーンが来たとたん恐怖の対象であることがビシビシ伝わってきます。表紙のデーモンベアのさらに迫力がある版、といった感じでしょうか。短い戦闘でもあるのに関わらず、圧倒的な強者への恐怖や雪山の過酷さが伝わってきます。

 

ミュータンツvsデーモンベア

 ニューミュータンツの面々により病院に運びこまれたダニ、しかしそこに再びデーモンベアの魔の手が伸びます。手術中のダニごと手術室を人質に取ったデーモンベアとニューミュータンツによる異空間での戦いが幕を開けます。こちらの戦闘では、雪山での戦いよりよりアート性が上がっているのが特徴的。荒野とは思えない豊かな色彩にバシッと映えるデーモンベア、戦闘描写も感性に訴えてくるような印象を受けました。それが現代のアメコミとはかなり違った印象を与えており、非常に新鮮な気持ちで読むことができます。本書がビル・シンケビッチの作風を推していることもあり、その真髄を味わえるのが正にこの戦闘でしょう。

New Mutants Epic Collection: The Demon Bear Saga (New Mutants: Epic Collection)

 

「あの」ウォーロックも初登場

 メインはもちろんニューミュータンツの活躍なのですが、本書では「shoindyが選ぶ見たら絶対気になるミュータント第一位」であるウォーロックが初登場するシーンも収録されています。

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ウォーロックとはテクナーキーと呼ばれる機械生命体で、異星人です。後にニューミュータンツに加入するキャラクターで、シェイプシフトや回復、アップグレードなど機械ならではの戦い方をします。見た目、いいよね。マーベルっぽさとちょっとちょっと外れた感じがたまらないです。

 

 

X-FORCE編

 本書の後半にはX-FORCEの二つの物語が収録、どちらもデーモンベアと関係のあるストーリーですが、2つの全く異なった毛色のX-FORCEを楽しむことが出来ます。

 

X-FORCE①

 初めに紹介するX-FORCEはニューミュータンツを再編成したチームとしてのX-FORCEです。ニューミュータンツの再編成ということもあってか、ダニやキャノンボール、サンスポットが在籍しています。リーダーがケーブルでドミノやシャッタースターも在籍しているので、映画「デッドプール2」の顔ぶれも揃っています。2001年のコミックスという事もあって非常に見慣れた画風でした。

 今回もまたデーモンベアが出現するのですが、今回はダニだけの問題ではなく、アルカディア・テヴィレというキャラクターも関わってきます。というのも、ニューミュータンツのストーリーからこのX-FORCEのストーリーの間にダニは能力を失い、アルカディア接触した事で新たな能力「量子を操る能力(アルカディアと同じ力)」を得ているのです。今回はその不思議な同調により、アルカディアも時折デーモンベアを見ていたり、アルカディアの幼少期のイマジナリーフレンドが具現化したりなど、神秘性がより加速しております。

 

X-FORCE②

 最後に紹介するX-FORCEは、上述2つのチームとは大きく毛色が異なっているチームです。比較的イメージされやすいのはこっちです。ついでに黒コスデッドプールもこっち。

figure complex AMAZING YAMAGUCHI DEAD POOL X-FORCE .ver デッドプール エックスフォース版 約160mm アクションフィギュア リボルテック

 こちらのX-FORCEは、簡単に言えば「汚れ仕事専門部隊」ホープ・サマーズを巡る戦いが展開されたメサイア3部作のタイミングでサイクロップスにより結成されました。戦闘特化したメンバーで構成されています。

 今回フィーチャーされたのはウォーパスというキャラクター。身体能力がずば抜けている肉体派のヒーローです。

Marvel Legends Universe Warpath Action Figure

 正直、ストーリーらしいストーリーは無く、突如現れたデーモンベアとの対決、まさかのゴーストライダーの加勢というシンプルかつ熱いショートストーリーです。デーモンベアが圧倒的強者である前提を2つのストーリーで与えられているため、たった2人で張り合うこのストーリーの力強さが感じられます。

 

 

まとめ 

 映画のベースとなったニューミュータンツのストーリーと2つのX-FORCEのストーリーを収録した本作、ストーリーが3つというだけでなく、展開されたストーリーの時代も分かれているため、画風や描写などの長所短所も見ることができ非常に興味深かったです。映画を楽しみにしている人、X-FORCEに興味がある人、是非、手に取ってみてください!!