新米の一歩目

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【アメコミ感想】マーベル怪獣大進撃(MONSTERS UNLEASHED)

マーベル怪獣大進撃

 

 

あらすじ

 それはある日、突然に始まった。ボストンを皮切りに、世界各地に巨大怪獣が落下。街を破壊し、人々を襲い始めたのだ。アベンジャーズX-MENガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、そしてチャンピオンズ。ヒーロー達は総出で迎撃に当たるが、怪獣どもの落下は止まらない。

 地球規模の混乱が続く中、名うてのモンスターハンターがついに行動を開始する。彼女、エルザ・ブラッドストーンが探し求めるのは、この事件の鍵を握る存在。

 これほどの大事件を引き起こすとは、どれだけの大物なのか。しかし、彼女が捜し当てたのは余りにも意外な人物だった。そして、事件はさらに意外な展開を見せる事になる……。

 スーパーヒーロー登場以前、マーベルコミックスの誌面を支配した「マーベルモンスターズ」が半世紀の時を超えてここに復活!マーベル史上、最重量級のバトルが今、ここに始まる!

 

本書より引用

 

概要

 こんちは!Shoindyです!さて、今回紹介するのはアメコミ翻訳の最新作「マーベル怪獣大進撃」です!「え~、怪獣ぅ!?」と思う方もいるかもしれませんが、マーベルはその昔怪獣が登場するコミックスをメインに取り扱っていた時代があり、その影響でハルクやシングも誕生しているというしっかりと歴史のある存在なのです。

 注目するべき点として、今作は外伝などではなく、アース616での出来事かつシビル・ウォーⅡ後のストーリーや世界観が描かれているという点が挙げられます。スタークが昏睡し、カマラが大人のヒーロー達に失望してチャンピオンズ(シビル・ウォーⅡによって市民に抱かせたヒーローの在り方を見直すため、若者だけで結成されたヒーローチーム、先にアベンジャーズを抜けたマイルス、ノヴァ(サム・アレキサンダー)に合流したカマラからスタートし、トータリー・オーサム・ハルク(アマデウス・チョ)、ヴィヴ・ヴィジョン、過去から来たサイクロップスがメンバー)を結成したその後を楽しむことが出来るのです。さらに面白いことに、今作は怪獣が地球に降り注ぐという非常事態、普段は非常事態でもそれぞれの思惑が絡まり合って余計にややこしくなるマーベルユニバースがなんとしっかり一致団結して戦うのです。この綺麗な団結は新鮮で見ごたえがありました。

 

珍しい&新鋭キャラクターが大活躍

 今回の怪獣事件に携わるのはかなり多くのヒーロー達。新生アベンジャーズガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(シビル・ウォーⅡにて宇宙船が破壊されたため地球にいる)、チャンピオンズ、X-MEN、インヒューマンズ、キャプテン・マーベル率いるアルファ・フライト……シールドやパーカー・インダストリーズの技術も動員したかなり大規模なものになっています。デッドプールが好きに暴れまわっても誰も文句は言わず(それどころかデッドプールも割と真面目に仕事をしていました)、コマの端っこで特に説明もなくブラックボルトが音波攻撃しているほどの異常性です(ブラックボルトの声の破壊力はかなり強力なため滅多に使われない)。

 しかし、今作で活躍するキャラクターは皆かなり珍しかったりデビューから間もないキャラクターばかり!ビッグネームが暴れまわっている中、どんなキャラクターが奮闘しているのか、見てみましょう!

 

①エルサ・ブラッドストーン

 デビュー自体は2001年とまぁまぁ新しい程度ですが、日本で知られるようになったのは割と最近のように感じます。それも、ドラマやMCU等では登場していないので、ゲームをやっている人は知っている程度ではないでしょうか。僕の中ではプレイ中の「マーベル・ストライク・フォース」や「マーベル・アルティメット・アライアンス3」に登場しているイメージが強いです。

Bloodstone (2001) #3 (of 4) (English Edition)

 エルサはブラッドジェムという魔石で力を授かったキャラクターで、職業はモンスターハンターをしています。今作にピッタリの職業です。画像では金髪ですが、これは連載初期のもので、現在ではオレンジの髪色に大きなポニーテール姿です。ちなみに、今作では怪獣の対処ではなく、怪獣が降り注いだ原因を突き止めようと独自に行動しています。

 

②ムーンガールとデビル・ダイナソー

 2016年にデビューした天才少女ムーンガールことルネラ・ラファイエットは元々世界最高レベルの知能を持ちながら、テリジェン・ミストの効果でインヒューマンとしても開花した9歳(現在は10歳らしい)の少女です。頭脳派ということで様々なハイテク技術を用いて戦う一方で、インヒューマンの能力としてデビル・ダイナソーと意思疎通が可能になっています。

Moon Girl and Devil Dinosaur Vol. 8: Yancy Street Legends

  一方でムーンガールが意思疎通を行っているデビル・ダイナソーはというと,

元々は別アースでムーン・ボーイというキャラクターの相棒だったキャラクター。ルネラの機械を使ってアース616に現出し、殺されてしまったムーン・ボーイに代わりルネラと行動を起こすことになります。見た目の通り紅いティラノサウルスです。

 今作では、怪獣の鳴き声を解析して彼らの会話を判別するところから始まり、後述する重要キャラクターであるキッド・カイジュウと年齢が近かったため、彼の友達としてケアにあたりました。また、仕方なしにデビルダイナソーと別れ、彼はヒーロー達と共に対怪物との戦いや一般市民の救助に当たりました。でっかい口で赤ん坊を運んでいる姿は必見です。

 

③キッド・カイジュウ

 本名をケイ・カワデという少年です。今作でデビューしたインヒューマンで、知名度はかなり低いものの、日本オリジナルのアニメである「マーベル:フューチャー・アベンジャーズ」にも登場しました。まぁあのアニメは世間がサノス=一番の悪が大流行した時期にラスボスにカーンを据えるというぶっ飛んだ事をしていたアニメなので出ていてもおかしく…ないのかな?

 

Monsters Unleashed Vol. 2: Learning Curve (Monsters Unleashed (2017-2018)) (English Edition)

 そんなキッド・カイジュウの能力は描いた怪獣を召喚し、その怪獣の意思や言葉を読み取ることが出来るというもの。また、書いた怪獣を各地に転送させることができます。テレビで見たグルートを途中までかいてやめたことでグルートの意思疎通が何となく出来るようになっていたのも面白いです。ちなみに、このキッド・カイジュウ、実は以前も本ブログにちょこっとだけ登場していたります。

 

www.shoindy.com

 

日本リスペクトを楽しめ!

 今作で楽しむことが出来るのは、日本文化のリスペクト。というのも、本書解説書によると怪獣=巨大サソリや巨大アリといった固有名詞の無い巨大生物だったアメリカの怪獣文化に衝撃を与えたのは「ゴジラ」。ゴジラの衝撃がマーベルに与えた影響と、マーベルの”怪獣に知性を与える”というアイデアの複合が多くの怪獣コミックスを生み出したのです。

 そういった経緯があるからか、もしくはキッド・カイジュウが日系だからなのかは定かではありませんが、今作には日本リスペクトの”技名を叫ぶ技”があったりするのもニヤリと出来る一面だったりします。

 また、逆リスペクトとして邦訳版はタイトルも怪獣全盛期だった時代の字体のタイトルロゴですし、タイトルを「モンスター・アンリーシュド」にせずに「マーベル怪獣大進撃」にわざわざ変えています。日本側にも当時を思い起こさせるアイデアが詰まっていて面白いです。(まあ、タイトルが変わっていたせいでAmazonで買うとき微妙に苦労しましたが…)

 

まとめ

 今作、正直とっつきにくいと思っていたのですが、意外にもかなり読みやすくて面白い作品でした。初めに読むのにも丁度いいかも…と思うくらいには良い1冊です。素晴らしいのは多くのキャラクターの登場シーンにしっかり名前の表記があること。これは素晴らしい。さらに、多くのチームが登場しているため、最近のチーム事情も分かりやすく、キャラクターがギスギスしないのもポイントです。一方で、この時はスティーブはおじいちゃんで、スタークは昏睡状態なので、この二人を見たいならおススメはしません。ソーもジェーンですしね。ですが、全体でみるとかなり面白い一冊でした!

 

 

 

マーベル怪獣大進撃

マーベル怪獣大進撃

  • 作者:カレン・バン
  • 発売日: 2020/05/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)