【アメコミ感想】X-MEN:ダークフェニックス・サーガ
あらすじ
X-MENの創設メンバーであるマーベルガールことジーン・グレイ。テレパシーとテレキネシスを操る彼女は、己の非力さに悩む日々を送っていた。
しかし、衛星軌道上で起きたX-MEN拉致事件をきっかけに、彼女は「フェニックス」として新たに生まれ変わる。
まるで別人のようなパワーの権化となった彼女は、幾度もX-MENの危機を救い、ついには宇宙の崩壊さえも食い止めた。
以前の気弱なジーン・グレイはもういない。だがしかし、フェニックスの変貌は彼女に恩恵をもたらしただけではなかったのである……
クレアモント、バーン、オースティン…黄金トリオの手による現代アメリカンコミックスの原点となった最重要ストーリーが登場!
本書より引用
概要
こんちは!Shoindyです!
さて、今回紹介するアメコミは、マーベルを語る上で欠かせない名作「X-MEN:ダークフェニックス・サーガ」です。ついに翻訳コミックスが発売となりました。
さて、今作がこのタイミングで発売されたのは公開を目前に迫られた映画「X-MEN:ダーク・フェニックス」の影響であることは言うまでもないでしょう。Xシリーズの最終作といわれているこの映画のラストに選ばれていることからも、「ダーク・フェニックス」のストーリーがいかに重要な立ち位置を占めているかがよく分かると思います。
そんな今作で描かれるのは上述あらすじの宇宙を崩壊を阻止だのなんだのを行った後の話。ヘルファイア・クラブに狙われながらも凶暴性を発現させてゆくジーンの葛藤と終焉を描きます。
登場キャラクター
今作が連載されたのは1980年代。X-MENの人気が高まっていた時代です。そんな今作で登場するヒーロー達はやはり今も名の知られたキャラクターとなっています。登場するのはリーダーサイクロップス、ウルヴァリン、コロッサス、ストーム、ナイトクローラー、そしてジーン。見事にビッグネームばかりです。さらに物語冒頭でセレブロが見つけ出した新たなミュータントはキティ・プライドとダズラー。
これまたビッグネームなだけあって、初登場の新米ミュータントなのが不思議な感じです。
敵として登場するのはヘルファイア・クラブの中でも中心的存在の「インナーサークル」と呼ばれるヴィランズ。協力者としてエマ・フロストが登場します。
名作の名に恥じない作品の魅力
インナーサークルのメンバーの一人であるマスターマインドにより、フェニックスはだんだんと精神を侵されてゆきます。そして最終的にはダークフェニックスとしてその能力を覚醒させます。ダークフェニックス状態のジーンはそれはもう超強力な存在。作中登場するシーア―帝国の女王リランドラの言葉を借りると
「ギャラクタスは飢えを癒すために惑星を食い尽くすが、フェニックスは飢えを癒すために宇宙を食い尽くす」
そういう存在です。最近「キャプテン・マーベルとどっちが強いの?」みたいな話をよく目にしますが、そもそも土俵が違うって事がよくわかると思います。わずか数コマで惑星を消滅させるシーンがあるくらいですからね。ちなみに、フェニックスが覚醒した直後にはファンタスティック・フォー、スパイダーマン、Dr.ストレンジ、シルバーサーファーがそのエネルギーを感じ取り警戒します。
そんなフェニックス、覚醒シーンももちろん真に迫る大迫力ですが、そんなフェニックスとX-MENの戦闘シーンもまたスゴイ。能力的には太刀打ちできない彼らですが、力を合わせて戦うその姿は古臭さを感じさせない気迫があります。皆が全力を出せない中、皆の為にジーンを殺害する決意で挑むウルヴァリンがまたかっこいい!それでもジーンの片鱗のせいで攻撃できなくなるのがなんともウルヴァリンらしいです。
ウルヴァリンといえば、今作を読んでいる最中に思わず
「うわ…かっこよ…」
と呟いてしまったシーンがありました。それがこちら。
どうですか!?めちゃくちゃかっこいいですよね!普段は目が白目で描かれているからこそ、ここでの睨みつける表情が刺さります。後ほど知ったのですが、このシーンは、まだ新しいキャラクターだったウルヴァリンの性格付けが完成したシーンだそうで、なんとも伝説的なシーンだったらしいです。
訪れる終焉
物語は最終的に宇宙規模へと発展します。空腹を満たすために惑星を食ってますからね、仕方のないことです。そして、宇宙で行われたジーンの処遇を巡る決闘の最中、再びダークフェニックスの片鱗が現れ始めたジーンは…自ら命を落とします。
悲しすぎる結末。本当は”サイキック・ロボトミー”によって能力を弱められたジーンがX-MENの保護下に置かれる結末だったらしいのですが(そのバージョンも存在する)、倫理的な観点からジーンは罰を受けることになったのです。今ではフェニックスはジーンそのものではなく、フェニックス・フォースという超常的生命体ということが分かっていますが、当時はハッキリしていなかったからですね。そんな最後のシーンもまた、悲しみと切なさが入り交じった名場面であることは否めないでしょう。最後に自己犠牲の精神をウォッチャーが語るのがまた秀逸です。
まとめ
マーベル誌に残る傑作「ダークフェニックス・サーガ」それは他のクラシックシリーズとは一線を画した正に「名作」と呼ばれるシロモノでした。古臭さを感じないどころかぐんぐん引き込まれるストーリー、必読の一冊です!!
コトブキヤ DARK PHOENIX MARVEL BISHOUJO スタチュー ダークフェニックス 1/8スケールPVC塗装済み完成品
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