新米の一歩目

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【アメコミ感想】X-MEN VS. アベンジャーズ(プレミア・クラシック)

X-MEN VS. アベンジャーズ(プレミア・クラシック) (ShoPro Books)

 

 

あらすじ

世界から恐れられる”X-MEN”と世界から称えられる”アベンジャーズ”。さらに超人部隊”ソビエト・スーパーソルジャーズ”が加わって3チームが大激突!

 これまで幾度となく世界を脅威にさらしてきたマグニートー。いまやX-MENの一員となった彼だったが、かつての拠点アステロイドMの残骸が見つかったことで、不穏な動きを見せはじめる。X-MENにもマグニートーの真意が測りかねたが、不信感を募らせ、彼を追跡するアベンジャーズソビエト・スーパーソルジャーズに先を越されるわけにはいかない。そして……世界中が注目するなか、ついに3つの勢力が激突する!

 さらに恐るべき敵ルシファーをめぐるX-MENアベンジャーズの初対決エピソードも収録!

 

本書より引用

 

概要

 こんちは!Shoindyです!今回紹介するのは数日前に発売されたマーベル・コミックスのクラシック作品「X-MEN VS.アベンジャーズ」です。非常に似たタイトルに2012年に連載されたイベント「アベンジャーズ vs X-MEN」がありますがそれとは全くの別作品です。

AVX:アベンジャーズ VS X-MEN ROUND1 (MARVEL)

 

 今作はX-MEN VS. アベンジャーズと謳ってはいるものの、正確には3つ巴の戦い。ロシアのヒーローチーム、ソビエト・スーパーソルジャーズも入り交じっての戦いになります。マーベルでロシアといえばのクリムゾン・ダイナモとかですね。彼何故か日本製アニメによく登場するよね。

クリムゾン・ダイナモ ミニバストスタチュー

 しかし、実はその3つ巴の戦いすらも実は今作の一端に過ぎません。今作は磁界王、マグニートーの物語としての一面が非常に強いのです。エリックおじいちゃんのお話は後述させていただきますね。

 

 

登場キャラクター

 さて、一口に”X-MEN"や”アベンジャーズ”といっても、所属するメンバーが非常に多いので、今作ではどのようなキャラクターが登場するのか、軽く紹介させていただきます。

X-MEN

 まずはX-MENのメンバーで今作の中心人物マグニートーX-MENのメインヴィランとして非常に有名な磁力を操るミュータントです。しかし今回の彼はヒーローサイド。もともとアンチヒーローとしての面が強いですからね。彼はエグゼビアに代わってX-MENを率いる立場になっており、今作ではウルヴァリン、ストーム(能力を失っている)、ローグ、音を光に変える能力を持つダズラー、サイクロップスの弟ハボックが登場します。

Marvel Legends Marvel Legends 6 inch [Giantman] Havoc

 

アベンジャーズ

  一方でアベンジャーズもまた面白いメンバー。アイアンマンは当時ウエスト・コースト・アベンジャーズに所属していたため登場しません。

 登場するのはキャプテン・アメリカ、ソー、シーハルクなどの有名なメンバーに加えて魔剣エボニーブレイドを持つブラックナイト、エンシェント・ワンを師と仰ぐドクター・ドルイドキャプテン・マーベルなどが登場します。キャプテン・マーベルに関しては皆さんのよく知るキャロルではなく二代目のモニカ・ランボー。キャロルのエネルギー吸収とは異なり自身がエネルギー体になる事ができます。

 

ソビエト・スーパーソルジャーズ

 そして最後にソビエト・スーパーソルジャーズ。メンバーはエネルギーを反射する場を作るバンガード、ダークフォースと結びつきエネルギーを操るダークスター、熊になれる(!?)アーサ・メイジャー、クリムゾン・ダイナモ、優れた頭脳のチタニウムマンが登場します。うん、まぁ、それまでだよね。

 

風評×風評、X-MENの原点、そしてマグニートーの魅力。

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 さて、上述した通り今作はマグニートーの物語です。アステロイドM(基地)の残骸が発見され、そこに何としてでも向かうマグニートー。アステロイドMはマグニートーヴィラン時代の産物であるため、それを求める彼にX-MENのメンバーは不信感を抱きます。一方で、アベンジャーズはそんなマグニートーを拘束し、過去の罪を裁こうと、ソビエト・スーパーソルジャーズもまた、ソ連マグニートーによって受けた被害を償わせようとします。皆が皆正義を胸に抱えつつも争うその姿は、未来のシビル・ウォーを彷彿させます。

 では、なぜマグニートーはアステロイドMを求めたのか。それは…やはり彼も、彼の中の正義を持っていたからでした。マグニートーは再びヴィランに返り咲こうとしていた訳ではありませんでした。彼は、アステロイドMにある回路を使うことで「世界中の人々からミュータントへの差別意識を無くす」ことを目的としていました。そう、元々X-MENはマイノリティがテーマとして掲げられた、今のマーベルの”多様性”にもつながる存在です。ミューティという蔑称も今作には登場します。彼らの悲願はいつも自分達の存在の証明です。回路を使えば、その悲願を叶えることが出来るのです。しかし、人間の意思を操作するというのは果たして”正義なのか?”マグニートーは再び苦しむことになります。彼はキャプテン・アメリカに意見を求めます。果たして、キャプテン・アメリカの意見は…。

 

まとめ

 クラシック作品と今のマーベル作品は実は結構雰囲気全体が異なっておりまして、どちらも魅力的ではあるものの、どうしてもクラシック作品にはぎこちなさを感じる部分があったりもします。もちろん作品によってはですが。しかし、今作はそれがなく、スルッと読むことが出来るどころか、X-MENの根本テーマであるマイノリティを味わうことが出来る素晴らしい一作となっておりました。マグニートーキャプテン・アメリカのカッコよさもたくさん詰め込まれており、是非とも一読していただきたい名作でした!

 

 

X-MEN VS. アベンジャーズ(プレミア・クラシック) (ShoPro Books)

X-MEN VS. アベンジャーズ(プレミア・クラシック) (ShoPro Books)