Ms.マーベル:もうフツーじゃないの 感想
あらすじ
『インフィニティ』の戦いのさなかに炸裂した「テリジェン・ボム」は、新人類インヒューマンズの遺伝子を持つ人間を超人に変えた。
ジャージーシティに住む16歳のムスリムの少女、カマラ・カーンもその一人。家族や友人、周囲との関わり方に悩む一方で、二次創作まで手がけるヒーローオタクでもある彼女は、偶然、手に入れたこの力とどう向き合っていくのか?
新世代のヒロインとして注目を集めるMs.マーベルのデビュー作にして、ヒューゴー賞を受賞した傑作がついに登場!
本誌より引用
何度でもいいましょう!ティーンヒーローが大好きだっ!
ついに、ついにあのカマラ・カーンが邦訳版で登場しました!こんな日が来るとはっ!う、嬉しい!
本誌は現行Ms.マーベルことカマラ・カーンのオリジン作品です。ちなみに、旧Ms.マーベルで現行キャプテン・マーベル、最近Fアベンジャーズやマブカプに引っ張りだこのキャロル・ダンバースとは全く関係ありません。カマラがキャロルのファンってだけ。
「Marvel Unlimitedより引用」
正にマーベルの"今"を象徴する彼女はパキスタン出身でイスラム教徒のヒーロー。以前紹介した「インフィニティⅡ」でブラックボルトが爆発させた"テリジェン・ボム"により、一般市民の中に眠っていたインヒューマンズの遺伝子が強制的に覚醒し、インヒューマンズは人口減の問題を解決させました。今作の主人公カマラもテリジェン・ボムの被害者の一人。厳しい家庭に生まれたカマラは両親の目を盗んでナイトパーティーに参加、そこでテリジェン・ミストを浴びてしまいます。
ティーンが抱える不完全さ
カマラの魅力はなんといってもティーンならではの不完全さにあります。上記でキャプテン・マーベルと関係ないといいましたが、カマラの能力もまた、キャロルとは大きく異なっています。カマラの能力は"見た目の変化" "体の変形" "縮小・巨大化" "ヒーリング・ファクター"…です。そして何より可愛い。これ、大事。
「Marvel Unlimitedより引用」
しかし上記の通りカマラはまだまだ新人、そもそも、突然手に入れた能力を上手く使いこなせません。例えば、テイラー・スウィフトになろうとしたらお母さんになっちゃったり
(アミというのはアラビア語でお母さんの意味)
「Marvel Unlimitedより引用」
ちょっとした怪我で すぐ弱気になっちゃったりね。
また、ティーンには欠かせない若者らしさもしっかりカバーしています。最早一番の敵なんじゃないかってほど苦しめられる"外出禁止"や能力の使い方をググってもオンライン・ゲームの情報しかでなくて悩んだり、ずっと憧れていたヒーローなのになかなか上手くいかず思い悩んだり…もう、ティーンらしさ大爆発、まだまだヒーローには程遠いです。いうなれば金網マッチで稼いでた頃のピーター。
それにしてもカマラのオリジンは本当に丁寧に描かれています。だからこそ魅力的なのかもしれないですけどね。
- 作者: G・ウィロー・ウィルソン,エイドリアン・アルフォナ,秋友克也
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2017/09/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (6件) を見る