【アメコミ感想】マーベルライジング
あらすじ
アルバイトでプログラムの授業を受け持ったスクイレルガールと、その授業を選択したMs.マーベル。
互いの素性を知らぬまま出会った二人のヒロインは、突然の事件を通して深めていくのだが……。
アニメ『マーベルライジング』の原案となる、新感覚のヒーローコミック!
本書より引用
概要
こんちは!Shoindyです!今回紹介するのは以前紹介したアニメ『マーベルライジング』の原案となるコミック「マーベルライジング」です。アニメと違ってアース-616が舞台であり、メンバーもアニメより少ないMs.マーベル、スクイレルガール、アメリカ・チャベス、インフェルノの4人だけ(第二弾ではマイルスやクエイクも参戦するようです)となっています。
本書の解説によると今作はMCUの存在の影響を大いに受けた一作となっています。メンバーが全然MCUと絡んでいないのに何が?とお思いかもしれませんが、実はそういう事ではなく、もっと広域に影響を受けているのです。
MCUの公開とヒットにより、マーベルは映画やファッションはもちろん、コミックにも注目されるようになりました。それまでの30~40代の男性がターゲットだったコミック市場にも見直しが必要になり、若い世代や女性にも受け入れられるコミックの発行が要させることになりました。そこで作り上げられたのがこのマーベルライジングなのです。
テーマも現代風。孤独と電脳
そんな今作は学校が舞台となって繰り広げられます。学校といっても恵まれし子ども達の学園だったりアベンジャーズアカデミーといったスーパーパワー持ち専用の学校という訳では無く、本当に普通の学校。Ms.マーベルもカマラ・カーンとしての一生徒として学校にきているだけですし、スクイレルガールもドリーン先生として教鞭をとっているだけです。完全に偶然。ちょっとカマラの学園生活が映るのですが、遅刻常習犯で学業とヒーロー業を兼任に苦心しているあたり一昔前のピーターを彷彿とさせられてなんだかほっこりします。
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テーマはゲーム世界
今作のヴィランであるエミュレーターの能力はゲームの世界を現実に持ち込むことが出来る能力。ゲーム世界アイテムはチョコボっぽかったりゾンビだったりMMORPGだったり…スカイスクロールなるエルダースクロールなものだったりとゲーム好きならニヤニヤできるパロディに溢れています。ゲーム好きのカマラ・スクイレルガールとゲームに詳しくないインフェルノ、アメリカ・チャベスの反応の差が見ていて面白いです。
ネットの危険性
今作のヴィランのエミュレーターことエンバーはカマラと同じドリーンのクラスに通う生徒…しかし、彼女はいつも孤独です。引っ越しが多かったため学校に仲のいい友人はおらず、唯一心を許せるのはネット上の本名も顔も知らないどこかの誰かだけでした。エンバーは彼の言葉に唆されるがままにヴィランとしての道を歩んでしまいます。エンバーもまた被害者なのです。エンバーがスーパーパワーを持っているだけで、これは今の現実でも起きうる問題ですよね。ネットリテラシーをテーマに扱っている辺りターゲット層が若者であることがよくわかります。真犯人のチョイスも上手いです。
唯一エンバーにとって救いだったのは、カマラがいてくれたこと。エンバーのスーパーパワーはテリジェン・ボム由来のインヒューマンとしての能力。カマラと全く同じ境遇であったからこそ、カマラはパワーに対する不安や混乱を理解でき、エンバーに寄り添う事ができました。孤独というのは案外簡単に忘れられるものです。
まとめ
最近の若者をターゲットにしているだけあって、端々から“イマドキ”を感じる一冊になっているだけでなく、意識的に初心者向けに作られていることが感じられる一冊でした。今回解説書をほとんど開かなかったです。それくらい易しい。次巻から登場するクエイク、彼女はアニメ版ではシークレット・ウォーリアーズのリーダーとして立ち上がって終了するのですが、コミックではどうなるのか非常に楽しみなところです!
- 作者: デビン・グレイソン,ライアン・ノース,G・ウィロー・ウィルソン,マルコ・フェイラ,ジョージ・ドゥアルテ,ロベルト・ディ・サルボ,アイリーン・ストリカルスキー,ラモーン・バッハ,御代しおり
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