新米の一歩目

就職をきっかけに本当にやりたいことを見つけた新卒、映画の魅力を人に伝える仕事のために邁進!アメコミ、映画、海外ドラマ、ゲーム、散歩、いろいろ好き。

【アメコミ感想】ニューミュータンツ:デーモンベア

ニューミュータンツ:デーモンベア

 

 

あらすじ

 X-MENの人気が過熱の一途を辿っていた1982年。「能力を開花させたばかりの十代のミュータント」という初代X-MENのコンセプトと「世界各国から集まったメンバー」という新生X-MENのコンセプトを引き継いだ新シリーズ『ニューミュータンツ』が誕生した。

 先輩たちの敷いたレールを辿り順調なスタートを切った『ニューミュータンツ』だったが、ほどなく、X-MENの伝統どころか、コミックブックの枠をも超えた飛躍を開始する。新進気鋭のアーティスト、ビル・シンケビッチの起用である。

 読者の想定を遥かに超えた次元で展開するシンケビッチのアートは、後発の『ニューミュータンツ』誌を注目作に押し上げ、シンケビッチ自身、唯一無二の存在として、デビュー40余年を経ながらも、なおも第一線で活躍を続けている。

 本書は、シンケビッチの出世作「デーモンベア」編を中心に、その解決編である『X-フォース』を収録した完全版になる。シンケビッチがもたらした衝撃を改めて堪能されたい。

 

本書より引用

 

概要

 こんちは!Shoindyです!今回紹介するのは「X-MEN」の派生チームであるニューミュータンツが主役のコミック『ニューミュータンツ:デーモンベア』です。今年公開予定の映画に「ニュー・ミュータンツ」があり、元ネタであるため邦訳されたのでしょう。

 

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 本書では、デーモンベアというヴィランヴィランでいいのかは不明ですが詳細は後ほど)を主軸に、ニューミュータンツのストーリーと二つの顔のX-FORCEが収録されておりました。それぞれ特徴や見どころを紹介していきましょう。

 

ニューミュータンツって?

 そもそも、今作のメインであるヒーローチーム「ニューミュータンツ」とは何者なのでしょうか?結論を簡単に言ってしまえば新しい版のX-MENです。当時、X-MENがブルードという異星人に連れ去られた際、プロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアが新たに結成した若者チーム、それがニューミュータンツです。メンバーは狼に変身できるある意味狼少女ウルフスベーン、他人の精神を支配できるカルマ、最近のアベンジャーズ誌にもよく登場するキャノンボールとサンスポット、そしてネイティブアメリカンで、恐怖を形にすることのできるダニエル・ムーンスターなどで構成されておりました。

New Mutants: Back To School - The Complete Collection (New Mutants (2003-2004)) (English Edition)

 

 ダニエル・ムーンスターとデーモンベア

 上述したニューミュータンツのメンバーの中でも、今回メインとなるのはダニエル・ムーンスター(以降ダニ)。ネイティブアメリカンの少女です。ちなみに、映画でもブルー・ハントという女優が演じる予定で登場します。

 何故、彼女がメインなのか、それはデーモンベアはダニの両親を殺害し、さらにダニの悪夢に現れ、そして実体化した存在であるためです。今作ではそんなダニとニューミュータンツvsデーモンベアの戦いがアーティスティックに描かれます。

 

ダニvsデーモンベア

  ダニはデーモンベアに1vs1での戦いを挑みます。そもそも自分の前に現れる存在であることや、両親を殺害した存在であることなどから個人での戦闘を選びました。ネイティブアメリカンのメイクを施し、弓矢での討伐を目指します。しかし戦闘は敗北に終わり、異常事態を嗅ぎつけたニューミュータンツにより保護されます。この戦闘では雪山で遭遇したダニとデーモンベアのサイズを1ページにグワッっと描いているシーンが非常に印象的でした、敵の見た目はDCのゴリラ・グロッドのようにヴィラン的ではなく、ただのでっかい熊なんですが、このシーンが来たとたん恐怖の対象であることがビシビシ伝わってきます。表紙のデーモンベアのさらに迫力がある版、といった感じでしょうか。短い戦闘でもあるのに関わらず、圧倒的な強者への恐怖や雪山の過酷さが伝わってきます。

 

ミュータンツvsデーモンベア

 ニューミュータンツの面々により病院に運びこまれたダニ、しかしそこに再びデーモンベアの魔の手が伸びます。手術中のダニごと手術室を人質に取ったデーモンベアとニューミュータンツによる異空間での戦いが幕を開けます。こちらの戦闘では、雪山での戦いよりよりアート性が上がっているのが特徴的。荒野とは思えない豊かな色彩にバシッと映えるデーモンベア、戦闘描写も感性に訴えてくるような印象を受けました。それが現代のアメコミとはかなり違った印象を与えており、非常に新鮮な気持ちで読むことができます。本書がビル・シンケビッチの作風を推していることもあり、その真髄を味わえるのが正にこの戦闘でしょう。

New Mutants Epic Collection: The Demon Bear Saga (New Mutants: Epic Collection)

 

「あの」ウォーロックも初登場

 メインはもちろんニューミュータンツの活躍なのですが、本書では「shoindyが選ぶ見たら絶対気になるミュータント第一位」であるウォーロックが初登場するシーンも収録されています。

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ウォーロックとはテクナーキーと呼ばれる機械生命体で、異星人です。後にニューミュータンツに加入するキャラクターで、シェイプシフトや回復、アップグレードなど機械ならではの戦い方をします。見た目、いいよね。マーベルっぽさとちょっとちょっと外れた感じがたまらないです。

 

 

X-FORCE編

 本書の後半にはX-FORCEの二つの物語が収録、どちらもデーモンベアと関係のあるストーリーですが、2つの全く異なった毛色のX-FORCEを楽しむことが出来ます。

 

X-FORCE①

 初めに紹介するX-FORCEはニューミュータンツを再編成したチームとしてのX-FORCEです。ニューミュータンツの再編成ということもあってか、ダニやキャノンボール、サンスポットが在籍しています。リーダーがケーブルでドミノやシャッタースターも在籍しているので、映画「デッドプール2」の顔ぶれも揃っています。2001年のコミックスという事もあって非常に見慣れた画風でした。

 今回もまたデーモンベアが出現するのですが、今回はダニだけの問題ではなく、アルカディア・テヴィレというキャラクターも関わってきます。というのも、ニューミュータンツのストーリーからこのX-FORCEのストーリーの間にダニは能力を失い、アルカディア接触した事で新たな能力「量子を操る能力(アルカディアと同じ力)」を得ているのです。今回はその不思議な同調により、アルカディアも時折デーモンベアを見ていたり、アルカディアの幼少期のイマジナリーフレンドが具現化したりなど、神秘性がより加速しております。

 

X-FORCE②

 最後に紹介するX-FORCEは、上述2つのチームとは大きく毛色が異なっているチームです。比較的イメージされやすいのはこっちです。ついでに黒コスデッドプールもこっち。

figure complex AMAZING YAMAGUCHI DEAD POOL X-FORCE .ver デッドプール エックスフォース版 約160mm アクションフィギュア リボルテック

 こちらのX-FORCEは、簡単に言えば「汚れ仕事専門部隊」ホープ・サマーズを巡る戦いが展開されたメサイア3部作のタイミングでサイクロップスにより結成されました。戦闘特化したメンバーで構成されています。

 今回フィーチャーされたのはウォーパスというキャラクター。身体能力がずば抜けている肉体派のヒーローです。

Marvel Legends Universe Warpath Action Figure

 正直、ストーリーらしいストーリーは無く、突如現れたデーモンベアとの対決、まさかのゴーストライダーの加勢というシンプルかつ熱いショートストーリーです。デーモンベアが圧倒的強者である前提を2つのストーリーで与えられているため、たった2人で張り合うこのストーリーの力強さが感じられます。

 

 

まとめ 

 映画のベースとなったニューミュータンツのストーリーと2つのX-FORCEのストーリーを収録した本作、ストーリーが3つというだけでなく、展開されたストーリーの時代も分かれているため、画風や描写などの長所短所も見ることができ非常に興味深かったです。映画を楽しみにしている人、X-FORCEに興味がある人、是非、手に取ってみてください!!

 

 

 

 

 

 

【アメコミ感想】マーベル怪獣大進撃(MONSTERS UNLEASHED)

マーベル怪獣大進撃

 

 

あらすじ

 それはある日、突然に始まった。ボストンを皮切りに、世界各地に巨大怪獣が落下。街を破壊し、人々を襲い始めたのだ。アベンジャーズX-MENガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、そしてチャンピオンズ。ヒーロー達は総出で迎撃に当たるが、怪獣どもの落下は止まらない。

 地球規模の混乱が続く中、名うてのモンスターハンターがついに行動を開始する。彼女、エルザ・ブラッドストーンが探し求めるのは、この事件の鍵を握る存在。

 これほどの大事件を引き起こすとは、どれだけの大物なのか。しかし、彼女が捜し当てたのは余りにも意外な人物だった。そして、事件はさらに意外な展開を見せる事になる……。

 スーパーヒーロー登場以前、マーベルコミックスの誌面を支配した「マーベルモンスターズ」が半世紀の時を超えてここに復活!マーベル史上、最重量級のバトルが今、ここに始まる!

 

本書より引用

 

概要

 こんちは!Shoindyです!さて、今回紹介するのはアメコミ翻訳の最新作「マーベル怪獣大進撃」です!「え~、怪獣ぅ!?」と思う方もいるかもしれませんが、マーベルはその昔怪獣が登場するコミックスをメインに取り扱っていた時代があり、その影響でハルクやシングも誕生しているというしっかりと歴史のある存在なのです。

 注目するべき点として、今作は外伝などではなく、アース616での出来事かつシビル・ウォーⅡ後のストーリーや世界観が描かれているという点が挙げられます。スタークが昏睡し、カマラが大人のヒーロー達に失望してチャンピオンズ(シビル・ウォーⅡによって市民に抱かせたヒーローの在り方を見直すため、若者だけで結成されたヒーローチーム、先にアベンジャーズを抜けたマイルス、ノヴァ(サム・アレキサンダー)に合流したカマラからスタートし、トータリー・オーサム・ハルク(アマデウス・チョ)、ヴィヴ・ヴィジョン、過去から来たサイクロップスがメンバー)を結成したその後を楽しむことが出来るのです。さらに面白いことに、今作は怪獣が地球に降り注ぐという非常事態、普段は非常事態でもそれぞれの思惑が絡まり合って余計にややこしくなるマーベルユニバースがなんとしっかり一致団結して戦うのです。この綺麗な団結は新鮮で見ごたえがありました。

 

珍しい&新鋭キャラクターが大活躍

 今回の怪獣事件に携わるのはかなり多くのヒーロー達。新生アベンジャーズガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(シビル・ウォーⅡにて宇宙船が破壊されたため地球にいる)、チャンピオンズ、X-MEN、インヒューマンズ、キャプテン・マーベル率いるアルファ・フライト……シールドやパーカー・インダストリーズの技術も動員したかなり大規模なものになっています。デッドプールが好きに暴れまわっても誰も文句は言わず(それどころかデッドプールも割と真面目に仕事をしていました)、コマの端っこで特に説明もなくブラックボルトが音波攻撃しているほどの異常性です(ブラックボルトの声の破壊力はかなり強力なため滅多に使われない)。

 しかし、今作で活躍するキャラクターは皆かなり珍しかったりデビューから間もないキャラクターばかり!ビッグネームが暴れまわっている中、どんなキャラクターが奮闘しているのか、見てみましょう!

 

①エルサ・ブラッドストーン

 デビュー自体は2001年とまぁまぁ新しい程度ですが、日本で知られるようになったのは割と最近のように感じます。それも、ドラマやMCU等では登場していないので、ゲームをやっている人は知っている程度ではないでしょうか。僕の中ではプレイ中の「マーベル・ストライク・フォース」や「マーベル・アルティメット・アライアンス3」に登場しているイメージが強いです。

Bloodstone (2001) #3 (of 4) (English Edition)

 エルサはブラッドジェムという魔石で力を授かったキャラクターで、職業はモンスターハンターをしています。今作にピッタリの職業です。画像では金髪ですが、これは連載初期のもので、現在ではオレンジの髪色に大きなポニーテール姿です。ちなみに、今作では怪獣の対処ではなく、怪獣が降り注いだ原因を突き止めようと独自に行動しています。

 

②ムーンガールとデビル・ダイナソー

 2016年にデビューした天才少女ムーンガールことルネラ・ラファイエットは元々世界最高レベルの知能を持ちながら、テリジェン・ミストの効果でインヒューマンとしても開花した9歳(現在は10歳らしい)の少女です。頭脳派ということで様々なハイテク技術を用いて戦う一方で、インヒューマンの能力としてデビル・ダイナソーと意思疎通が可能になっています。

Moon Girl and Devil Dinosaur Vol. 8: Yancy Street Legends

  一方でムーンガールが意思疎通を行っているデビル・ダイナソーはというと,

元々は別アースでムーン・ボーイというキャラクターの相棒だったキャラクター。ルネラの機械を使ってアース616に現出し、殺されてしまったムーン・ボーイに代わりルネラと行動を起こすことになります。見た目の通り紅いティラノサウルスです。

 今作では、怪獣の鳴き声を解析して彼らの会話を判別するところから始まり、後述する重要キャラクターであるキッド・カイジュウと年齢が近かったため、彼の友達としてケアにあたりました。また、仕方なしにデビルダイナソーと別れ、彼はヒーロー達と共に対怪物との戦いや一般市民の救助に当たりました。でっかい口で赤ん坊を運んでいる姿は必見です。

 

③キッド・カイジュウ

 本名をケイ・カワデという少年です。今作でデビューしたインヒューマンで、知名度はかなり低いものの、日本オリジナルのアニメである「マーベル:フューチャー・アベンジャーズ」にも登場しました。まぁあのアニメは世間がサノス=一番の悪が大流行した時期にラスボスにカーンを据えるというぶっ飛んだ事をしていたアニメなので出ていてもおかしく…ないのかな?

 

Monsters Unleashed Vol. 2: Learning Curve (Monsters Unleashed (2017-2018)) (English Edition)

 そんなキッド・カイジュウの能力は描いた怪獣を召喚し、その怪獣の意思や言葉を読み取ることが出来るというもの。また、書いた怪獣を各地に転送させることができます。テレビで見たグルートを途中までかいてやめたことでグルートの意思疎通が何となく出来るようになっていたのも面白いです。ちなみに、このキッド・カイジュウ、実は以前も本ブログにちょこっとだけ登場していたります。

 

www.shoindy.com

 

日本リスペクトを楽しめ!

 今作で楽しむことが出来るのは、日本文化のリスペクト。というのも、本書解説書によると怪獣=巨大サソリや巨大アリといった固有名詞の無い巨大生物だったアメリカの怪獣文化に衝撃を与えたのは「ゴジラ」。ゴジラの衝撃がマーベルに与えた影響と、マーベルの”怪獣に知性を与える”というアイデアの複合が多くの怪獣コミックスを生み出したのです。

 そういった経緯があるからか、もしくはキッド・カイジュウが日系だからなのかは定かではありませんが、今作には日本リスペクトの”技名を叫ぶ技”があったりするのもニヤリと出来る一面だったりします。

 また、逆リスペクトとして邦訳版はタイトルも怪獣全盛期だった時代の字体のタイトルロゴですし、タイトルを「モンスター・アンリーシュド」にせずに「マーベル怪獣大進撃」にわざわざ変えています。日本側にも当時を思い起こさせるアイデアが詰まっていて面白いです。(まあ、タイトルが変わっていたせいでAmazonで買うとき微妙に苦労しましたが…)

 

まとめ

 今作、正直とっつきにくいと思っていたのですが、意外にもかなり読みやすくて面白い作品でした。初めに読むのにも丁度いいかも…と思うくらいには良い1冊です。素晴らしいのは多くのキャラクターの登場シーンにしっかり名前の表記があること。これは素晴らしい。さらに、多くのチームが登場しているため、最近のチーム事情も分かりやすく、キャラクターがギスギスしないのもポイントです。一方で、この時はスティーブはおじいちゃんで、スタークは昏睡状態なので、この二人を見たいならおススメはしません。ソーもジェーンですしね。ですが、全体でみるとかなり面白い一冊でした!

 

 

 

マーベル怪獣大進撃

マーベル怪獣大進撃

  • 作者:カレン・バン
  • 発売日: 2020/05/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

 

【英コミ感想】Hilda and the Black Hound: Hilda Book 4

Hilda and the Black Hound: Hilda Book 4 (Hildafolk)

 

 

概要

 こんちは!shoindyです!世間が大変ということもあり、アメコミの新刊の発売も延期されてしまったので、今回は月一の更新も遅くなってしまいました。

 そして、上記と同等の理由により今回は番外編的な作品の感想の紹介をしようと思います!

 

イギリスのコミック「ヒルダ」シリーズとは?

 さて、今回紹介するヒルダシリーズは、イギリスの漫画家、ルーク・ピアソン氏による漫画です。北欧を舞台とした作品で、日常と妖精などのファンタジー(どちらかと神話的な考え方)とが共存している世界を描きます。主人公の少女ヒルダを中心に描かれるので、世界を救うだとかそういった壮大な話ではなく、小さな事件や不思議を体験する、日本でいう青い猫型ロボット的なストーリーとなっております。

こっちむいてDORAEMON ( ドラえもん )

 

魅力的なキャラクター達

 今作の魅力はなんといってもルーク・ピアソン氏による温かみのある画風で描かれる魅力的なキャラクター達。主人上で好奇心旺盛な女の子ヒルダを始め、彼女の最高の友達であるシカキツネのトゥウィッグ、優しいママ。今作ではさらにタイトルにもある超巨大な黒い犬のジェリービーンズや北欧神話に登場する妖精であるトムテのトンフ(ヒルダの横にいるもじゃもじゃ)などが登場します。ヒルダの強すぎる好奇心やちょっと捻くれているトンフなど、一人ひとりのキャラクターがしっかり立っており、1ページ1ページめくるのが本当に楽しいです。

 

入り口におススメ!Netflixアニメ版!

 そんなヒルダなのですが、実は大きな弱点が…それは…翻訳版が存在しないこと!(おそらく)国内販売も滅多にしておりません。Amazonでは普通に購入可能ですが、僕は注文から到着まで1か月半ほど待たされました…これは辛い。

 なので、手っ取り早い方法としてNetflixのアニメ版を見ることをお勧めします!アニメ版はしっかりとコミック版に準じているだけではなく、優しい色合いで見ているだけで楽しく、そして字幕、吹き替え共に対応しています。かくいう自分もNetflix版でデビューしました。

 

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ルーク・ピアソン本人の特徴的な絵を楽しむことが出来ないのがマイナスではありますが、書籍版は私たち日本人からすればコレクションアイテム的なポジションに収まらざるを得ないので、ストーリーや世界観を楽しむのであればこちらの方が良いかもしれません!いずれにせよおススメですよ!

 

 

まとめ

 今回は完全外伝、マーベルでも無ければアメリカのコミックではなくイギリスのコミックの紹介という異色の投稿をさせていただきました。ただ、日本の漫画には日本の漫画の良さがあるように、イギリスにはイギリスの、アメコミとはずいぶんと異なる素敵な雰囲気を楽しむことができました。注文から時間がかかるものの、料金はかなり良心的なので、一度手に取ってみる事をおすすめします!!

 

 

Hilda and the Troll: Book 1 (Hildafolk)

Hilda and the Troll: Book 1 (Hildafolk)

  • 作者:Pearson, Luke
  • 発売日: 2015/12/01
  • メディア: ペーパーバック
 
Hilda and the Black Hound: Book 4 (Hildafolk)

Hilda and the Black Hound: Book 4 (Hildafolk)

  • 作者:Pearson, Luke
  • 発売日: 2017/08/29
  • メディア: ペーパーバック
 
Hilda and the Stone Forest: Hilda Book 5 (Hildafolk)

Hilda and the Stone Forest: Hilda Book 5 (Hildafolk)

  • 作者:Pearson, Luke
  • 発売日: 2016/10/04
  • メディア: ハードカバー
 

 

【アメコミ感想】シビル・ウォーⅡ

シビル・ウォーⅡ

 

 

あらすじ

 インヒューマンズが放った神秘の霧「テリジェン・ミスト」により、また新たなインヒューマンが誕生した。

 

 その少年ユリシーズが開花されたのは未来を幻視する力。

 

 あらゆる犯罪、脅威を未然に防ぎ得るその力を巡って、ヒーローコミュニティは紛糾する。

 

 少年の力を有効活用し、より良き社会を目指す者。善悪の判断を他者に委ねる行為の危険性を訴える者。

 

 せめぎ合う両者の主張は、少年が予知したある事件への対処策をきっかけに、ヒーロー同士の対立を生む。第二のシビル・ウォーを。

 

 話題作『シビル・ウォー』第二弾、ついに登場!

 

君はどちらに付く?

 

本書より引用

 

ネタバレあり

概要

 こんちは!Shoindyです!今回紹介するのはマーベル界…いえ、アメコミ界に衝撃を与えたあの問題作シビル・ウォーの続編、「シビル・ウォーⅡ」です。シビル・ウォーにて争われた答えのない問題は多くの犠牲を亀裂を生みました。そして今回の問題もまた、簡単に答えを出してしまう訳にはいかない難題となっており、そしてやはり多くの犠牲を生み出します。

 

 

そもそもシビル・ウォーって?

 本題であるシビル・ウォーⅡの話をする前に、その10年間に展開されたコミックイベント「シビル・ウォー」についてお話しましょう。

シビル・ウォー (MARVEL)

 

 MCUにて映画化もされた「シビル・ウォー」は、コミック、映画と共に「ヒーロー登録法案」の是非について問われてきました。ここではコミックをメインに話を進めましょう。若手ヒーローチームがヒーロー活動をテレビショーを行っていた最中、戦闘中に大規模な爆発を引き起こしてしまいます。今でいうYoutuberですね。不幸な事に、爆発した戦闘エリアの近くには幼稚園があり、多くの幼い命が失われてしまいます。

 それをきっかけに、アイアンマン主導で進められたのが「超人登録法」。ヒーローを政府の機関に組み込み、正体や身分を登録し、管理しようという法案です。そしてキャプテン・アメリカはそれに反対し(スーパーパワーを用いて暴れまわるヴィランに対し政府のGoサインが無いと動けなくなることの危険性があったため)、彼と彼について行ったヒーローは政府に反対する犯罪者としてその身を追われることになりました。

 この争いにおいて、夫婦関係の崩壊や、死亡、歴史の改変に手を出す蜘蛛など多くの余波が引き起こされました。ヒーロー同士の関係が修復されたのはかなり後になりました。

 

 

 

 

未来に犯罪を起こす者は犯罪者なのか?

 さて、話をシビル・ウォーⅡに戻しましょう。今回論争になるのは見出しにもある通り「未来予知による犯罪の防止について」。Ms.マーベル(カマラ)などが誕生したテリジェン・ミストの影響で誕生したインヒューマン「ユリシーズ」の能力が上記の「未来を予知する能力」であり、さらにその予知を周囲の人間も体感できるというものでした。その予知はかなり正確で、超宇宙的存在の襲来を事前に予知し、ヒーローが反撃ではなく、準備して立ち向かえる状況を作り上げました。

 正直、この主題には目新しさがありません、本書解説書にはマイノリティ・リポートが例に挙げられていましたし、たしかMCU内に登場したトリスケリオンの性能もそんな感じでしたね。

 

マイノリティ・リポート (字幕版)
 

 

この論争の重要な点はその予知の正確さと、未来という概念の扱い方が重要になってきます。予知は100%正確なのか?その予知を知ったうえで回避する動きをすれば回避可能なのか?その点がはっきりしないと論争にもならないように思えます。ちなみに、ユリシーズの予知は100%ではなく、あくまで超正確なプロファイリングです。では争いにならないのでは?と思いますが、その事実をスタークが導きだしたのは物語の中盤で、引き返せない位置にありました。

 

悲劇が起き、争いが激化する

 シビル・ウォーⅡではアイアンマンとキャプテン・マーベル(キャロル)が対立することになります。未来主義者であるスタークは、未来主義者であるがゆえに予知を信じすぎる事の危険性を感じ、キャロルのやり方に反対していました。ちなみに今回キャップとは争いません。スターク曰く「君と倫理を論じても、喧嘩別れが関の山だ」とのこと。よくわかってらっしゃる(笑)

 そして、ついに悲劇が起きます。事の発端はユリシーズの予知によるサノスの襲来。キャロルはすぐさま戦力をあつめ、サノスに挑みます。しかし、そこで予言に無いことが起きてしまうのです。それは…ウォーマシンの死。それは、キャロルの恋人の死であり、スタークの親友の死を意味していました。これを機にスタークはキャロルに激怒。さらに畳みかけるようにユリシーズによるハルク暴走の予言がなされます。

 ハルクの予言は第二の悲劇を呼び起こしました。それは…バナーの死。ヒーロー達は予言を元にバナーの元に集まりました。1年以上ハルク化していないことを主張するバナーの処遇を争うスタークとキャロルの目の前で、バナーの脳天に弓矢が突き刺さります。殺害したのはクリント・バートン…ホークアイでした。

 クリントはかつて、ハルク化した時に自信を殺害するようバナーに頼まれていました。クリントはバナーの瞳に緑の閃光が走ったのを感じ、彼に弓を放ったのでした。

 多くの戦友を失い、親友を失ったスタークとキャロルの緊張状態は最高潮に高まっていました。そして、やがて多くのヒーローを巻き込んだ大規模な戦闘へと発展します。

 

まとめ

 この後にいくつか展開があるものの、大まかな流れは上述したものとなっています。

解説書には”営業的(MCUの影響によるインヒューマンメインのストーリーである事)”や第一弾程の成功作ではないといった評価が下されており、確かにおおむねその通りだとは思いますが、そこまで言わなくてもいいかな、とは思いました。

 シークレット・ウォーズ後の今時なアース616が楽しめる面白さ(マイルスがいたりする)や、今後起きるチャンピオンズの結成やシークレット・エンパイアなどの予告をユリシーズの予知にしたのはアイデア的にも面白かったです。また、ちょっとMCU感のある掛け合いなども目新しかったです。しかしながら、主題である戦争に関しては争いのを成しておらず(ユリシーズの予知がただのプロファイリングの時点で破綻している)、心からの争いではなく、キャロルが引くに引けなくなって暴走しているように感じました。さらに、キャロルサイドについたガーディアンズなどが心から意見をもってキャロル側についている訳では無いので、スタークの結末を考えると、1の時ほど尾も引かなそうであり、あっさり気味だったように思えます。なので、あくまでこの論争の答えを読むには微妙ですが、コミックを読むには非常に楽しめると思いました。

 

 

 

 

 

シビル・ウォーⅡ

シビル・ウォーⅡ

 

 

 

 

【アメコミ感想】ヴィジョン2

ヴィジョン 2

 

 

あらすじ

 ある事件で過去の記憶にまつわる感情を消去したヴィジョンは、人間性を回復するべく、シンセゾイドの「家族」を造り、ワシントン郊外で《普通》の生活を始めた。

 ヴィジョンがアベンジャーズの任務に従事する傍ら、娘のヴィヴと息子のヴィンは地元の高校に通い、妻のヴァージニアが家事を取り仕切る。往年の典型的なアメリカ人らしい彼らの生活ぶりは、一家を奇異の目で見つめていた隣人にも受け入れられていくが、因縁の宿敵グリムリーパーの襲撃を機に、歯車は狂い始める。

 娘を傷つけたグリムリーパーを殺害してしまったヴァージニアはその事実を夫にも秘密にするが、偶然、死体隠蔽現場を目撃された挙句に脅迫され、そのもつれから、ヴィヴの同級生の少年を死なせてしまう。さらに秘密を重ねる結果となったヴァージニアは変調を来し始め、残る3人の頭上にも黒い雲が広がり始める。

 そして、偶然から一連の事件の真相を知ったヴィジョンは、それでもヴァージニアに理解を示し、家族の生活を守り抜こうとする。そう、今のヴィジョンにとっては家族が全てなのだ。たとえ自らの信念を曲げようとも……。

 驚愕のストーリー展開と類を見ないテーマ性で読者を翻弄し続ける、21世紀のマーベルコミックス最高傑作、ここに完結。

 

本書より引用

 

概要

 こんちは!Shoindyです!今回紹介するのは先月ご紹介した「ヴィジョン」の続巻にあたる「ヴィジョン2」です。表紙から不穏…というか考えられるものとなっております。ゴミ箱に捨てられているヴィジョンと、刻まれる墓標の一文。シンセゾイドは魂のある存在なのか、物なのか……

 さて、前作でヴィジョンは、ヒーローであることや、シンセゾイドであることの枠を超え、一個の存在として家族を守るためにあらゆる一線を超えました。今作ではその決意を抱いたヴィジョンの元に”弟”であるヴィクター・マンチャが訪れます。

 ヴィクター・マンチャというキャラクターは今作が初登場ではなく、ドラマ化もしたコミックシリーズ「ランナウェイズ」に登場したキャラクターです。第二期からの登場ですね。ヴィクターは他のランナウェイズとは違い、親が「プライド」のメンバーではないのですが、同じくヴィランの息子という立場として登場し、メンバーになりました。その親はもちろん…ウルトロンです。

 

Runaways: Pride & Joy Marvel Select (English Edition)

 

 

虚構の平穏と真実の愛

 ヴィクターは叔父として歓迎され、見事に家族に馴染みます。未だ不安定なヴァージニアの話を聞き、ヴィンの思春期な相談に乗る(ここのヴィンはもう完全に思春期の男の子ですね)、そして、ヴィヴと共に亡きクラスメイトのお墓参り。こうして、今となっては周りの誰からも歓迎されなくなったシンセゾイドの一家に温かさが訪れるのです。

 しかしその平穏もまた、虚構に終わります。ヴィクターはそもそもアベンジャーズの刺客だったのです。いずれ世界を征服するようプログラムされていたヴィクターは正義であることに飢えていました(この話はランナウェイズ本編での出来事)。

 そのため、アベンジャーズからヴィジョン家の様子見をするよう依頼された時にすぐに飛びつきました。しかし、ヴィクターの真意がヴィンにバレてしまい、ヴィンを止めようとしたヴィクターはヴィンを殺害してしまいます。

 

 ヴィンを喪ったヴィジョンは、再び、一線を超える事になります。A.I.としての思考と、家族を愛する存在としての思考、それが交じり合い、新たな悲劇を生み出します…

 流石にどうなったまでかはここでは述べませんが、そこにはヴィジョンからの一方的な愛だけではない、家族のプログラムを超えた愛と悲劇が展開されます、物悲しくも美しい崩れ行く世界が待っていました。

 

まとめ

 2ヵ月に渡り展開されたシリーズ「ヴィジョン」独特なタッチとヒーローのルールを破るストーリー展開。そしてロボット(シンセゾイド)は人間には成り得ないのか、という長年語られている主題を新たな切り口で見事に展開されました。短くドラマチックなのでアメコミ初めてでも楽しめますよ!!

 

 

ヴィジョン 2

ヴィジョン 2

  • 作者:トム・キング
  • 発売日: 2020/02/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

 

 

 

【アメコミ感想】ヴィジョン1

ヴィジョン 1 (MARVEL)

 

 

あらすじ

 人類の殲滅を目論む狂気のアンドロイド、ウルトロンの手で生み出されながらも、創造主に背を向け、正義の列に名を連ねた人造人間《シンセゾイド》ヴィジョン。最も高潔なアベンジャーとして仲間と周囲の信頼を勝ち得てきた彼は、ホワイトハウス付のアベンジャーとして首都ワシントンD.C.に転任したのを機に新たな生活を始める。首都郊外に家を求め、同じく人造人間の妻と娘、息子を迎え、《人間らしい》暮らしを送ろうと決心したのだ。

 かくして、合衆国の心臓部で働くエリート達が暮らすヴァージニア州アーリントン暮らしが始まった。しかしある事件をきっかけに彼らの生活の歯車は狂い始める。そして恐るべき悲劇がー

 元CIA議員という異色の経歴で知られる気鋭のライター、トム・キングによる、奇妙で奇抜で危険なサイコロジカル・ファミリーホラー。21世紀のマーベルコミックスを代表する稀代の傑作がついに登場!

 

本書より引用

 

概要 

 こんちは!Shoindyです!お久しぶりでございます!12月はアメコミを購入せず、今月多忙だったため、遅れに遅れての更新となりました。さて、ここ2か月の間に色々な情報が増えたMCU、その中に公開された中に新ドラマ「ワンダヴィジョン」の映像もありました。ワンダがスカーレット・ウィッチの格好をして登場したことで微妙に話題になりました。

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 そんな「ワンダヴィジョン」の元ネタになったとされる作品がこのコミックス「ヴィジョン」だったりします。ちなみにドラマ「ワンダヴィジョン」のジャンルはシットコム(シチュエーションコメディ、フルハウスとかビッグ・バン・セオリーなどのジャンル)に分類されています。そして元ネタの「ヴィジョン」は、上記あらすじによるとサイコロジカル・ファミリーホラー…もう嫌な予感しかしませんね。

 実は、本書は表紙の強烈さから、アメリカでリーフが出た時から読んでみたい作品でもありました。さらにアイズナー賞を受賞していることもあり、非常に期待が高まっている一冊でした。実際読んでみて、いつもと全く違う不気味なストーリーで非常に楽しかったです。

 

普通であるが故の異常と生まれる綻び

 「ワンダヴィジョン」の元ネタと紹介したものの、今作ではワンダの出番はほとんどありません。ワンダと結婚していたこともありますが、それは完全に別の話。今回登場するのは、ヴィジョンの人間らしさ計画の為に登場した妻と、双子の子ども達。どれがどのポジションかはタイトル画面を見ていただけると分かるかと思いますが、それぞれ家主のヴィジョン、妻のヴァージニア、長男のヴィン、長女のヴィヴという名前です。なお、長女のヴィヴは僕が好きなチームであるチャンピオンズにも参加しており、ハルク(アマデウス)とキスしたりします。カマラ差し置いてモテてますな。まぁカマラは学級委員系ですからね。

 今作の見どころはそんなヴィジョン一家が”演じる”普通にあります。そしてその普通はあくまで人間らしさが欲しいが故の演技ですので、圧倒的な違和感を孕んでいるのです。例えば、”いい人そうだね”という第一印象の表現ひとつをとっても、彼らにとっては”優しそう”と表現する場合と大きく異なります。曰く、”いい人”は皮肉を込めて表現する事があるため、第一印象の時点ではどちらにもなり得る”いい人”という表現の方が人間らしいそうです。人間はそこまで考えてないと思う(笑)

 他にも”子どもはその後には何になればいいのか”といった、人間でないからこそ描かれる疑問が描かれます。それが困惑しつつもどこか平凡を楽しんでいる節があるのがまたちぐはぐな感じですね。ご近所さんとの交流を喜びつつももらったクッキーを捨てていたりね(表面上の関係の表現ではなく、喜んでいるのにシンセゾイドであるが故にその行動に出ている)。

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 しかし、事件は起きます。それはヴィランであるグリム・リーパーの襲撃。ヴィジョンが不在の間にそれは起き、ヴィヴは損傷。ヴァージニアは必死の思いでグリム・リーパーを殺害します。しかし、ヴァージニアにとってもそれは想定外。彼女はグリム・リーパーの遺体を庭に埋め、事実を隠蔽します。ですが、その陰にはその一部始終を見る者の姿が…

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 そもそも人間らしさ、シンセゾイドらしさの定義が存在しているのかどうかすらよくわからなくなりそうですが、ヴァージニアが遺体を隠した時点で、ヴィジョン一家は人間に近づき始めたように感じます。事実の隠蔽が合理的ではないはもちろん、ヴィヴの復活の為に自身の身を危険に晒すヴィジョンや、ヴィヴをバカにされて同級生に手を出してしまうヴィンなどだんだんと人間くささが現れ始めます。ぁ、そこにはスーパーパワーが伴うのですが…

 最高に人間臭かったのはヴィジョン夫妻がヴィンの暴力により校長先生に呼び出しを喰らうシーン。

 「私はアベンジャーズのヴィジョンだ。この惑星を37回救ってきた。あなたの生活。あなたの呼吸。あなたの心臓が打つ鼓動…全て私のおかげだ。」                 ヴィジョン-校長室にて―

最高に人間くさいけど最高にヒーローらしくないセリフです。決して自分達の活躍を鼻にかけないヒーローですが、息子を守るためならば恩を売ることもやぶさかではないというヴィジョンの強い愛を感じます。

 

 

物語は後半へ

 さて、こんな不気味なヴィジョン一家の物語は、グリム・リーパーの真相をヴィジョンが知ったところで終了します。続きは翌月の発売。”人らしさ”を求めたヴィジョン一家の行く先に待つ結末とは、一体どんなものなのでしょうか…今から期待でいっぱいです!

 

 

 

【おまけ】ちなみに、グリム・リーパーがヴィジョンを襲ったのはヴィジョンの脳波にあります。ヴィジョンの脳波はワンダーマンの物を使用しており、グリム・リーパーはワンダーマンの兄です。グリム・リーパーは弟の偽物であるヴィジョンと、その一家が許せなかったため、襲撃したのです。(ヴィヴとヴィンはヴィジョンとヴァージニアの脳波を混ぜて作られた)。

 

ヴィジョン 1 (MARVEL)

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  • 作者:トム・キング
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2020/01/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

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  • 発売日: 2017/12/03
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

【アメコミ感想】ウィンターソルジャー:セカンド・チャンス

ウィンターソルジャー:セカンド・チャンス

 

 

あらすじ

 第二次大戦中、キャプテン・アメリカの相棒として戦場を駆け抜けたバッキー・バーンズ。

  ナチスドイツの降伏直前、北海に消えた彼はソビエトに回収され、暗殺者ウィンターソルジャーとして蘇った。

 幾多の任務をこなし、裏社会の伝説となった彼はかつての親友であるキャプテン・アメリカの助けで、バッキーとしての人格を取り戻したが、犯した罪への後悔の念が消えることはなかった。

 己の過去を悔いた彼は、同じく過去の犯罪と手を切ろうとする者の支援プログラムを開始するが……。

 ウィンターソルジャーの新たな旅立ちを描く最新作が登場!

 

本書より引用

 

概要

 こんちは!Shoindyです!

 今回紹介するのは11月末に発売されたウィンターソルジャー(以降バッキー)の単独誌「ウィンターソルジャー:セカンド・チャンス」です。バッキーといえばMCUシリーズでもセバスチャン・スタンが演じており非常に知名度も人気も高いキャラクターです。キャラクターとしての歴史は非常に深いものの、実際に活躍しはじめたのは割と最近だったりします(それまでは復活しないキャラクターの代表格の一人だった)。それもあってか(?)、このコミックスはかなり最近、なんと今年の上半期に連載されたコミックスなのです!爆速翻訳万歳!

 

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ドラマ化希望!バッキーと少年の再起の物語!

 さて、そんなバッキーの単独誌の物語は、彼とある少年との出会いから始まります。かつて、(洗脳されていたとはいえ)ヴィランとして殺人をも行っていたバッキーは贖罪も兼ねて、自分と同じように人生をやり直したいヴィラン(スーパーヴィランではなく、ヒドラで働いていた人など)を救うという活動を行っていました。

 そんなある日、バッキーの元に襲撃者が現れます。襲撃者は幼く、かつてキャプテン・アメリカのサイドキックを行っていたころのバッキーのコスチュームを身にまとっていました。

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 少年はソビエトではなく、ヒドラによって引き取られ、育てられていた孤児でRJという名前でした。RJを返り討ちにしたバッキーは自信と重なる部分を感じ取り、少年を引き取ることに…

 という流れでこの物語は始まるのですが、本作の絶対の魅力はその”ドラマ性”にあります。スーパーヒーローの物語としての側面は非常に薄く、このドラマチックなストーリー展開が非常に引きこまれる物として仕上がっています。イメージでいえば、映画「ローガン」が非常に近いのではないでしょうか。

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 ローガンとは異なっている部分としては親のスタンスの違いでは無いでしょうか。ローガンは元々周囲の人間を拒絶していた人物であり、そんな中で否応なしに行動を共にする事になったローラと過ごす時間が彼の心を溶かしていくストーリー展開でした。だからこそ、ローガンがローラを愛するまでの展開と、彼女の為に身を挺する姿が感動をうみだしました。

 しかしながら、今作ウィンターソルジャーはバッキーの意思でRJを保護しています。バッキーが進んで親となっているため、心を溶かされるのは子であるRJという事になります。重要なのは、バッキーが望んで親の立場になったことで「自身の不完全さ」を噛みしめさせられるというドラマが生まれるという事。大人だってカンペキじゃないし、沢山悩んで苦しんで失敗をしているけど、それでも子を正しく導く為によく見せようとするという展開が生まれます。こういった展開は映画でもよく見受けられますが、そこに”ウィンターソルジャーとしての過去”や、”ハイドラの兵器”という暗い部分が加わったことで、他では見ることができないシリアスさやオリジナリティが生まれます。

 

まとめ

 バッキーが主人公の、ドラマチックかつ切なくやるせないコミック。ストーリーだけでなく絵もおしゃれで一気に読みこんでしまう素晴らしい作品でした。上述したように本当にドラマ向きで(スーパーパワーを持ったキャラクターが少ないので)あるため、ウィンターソルジャー&ファルコンの後でもいいから是非ともドラマ化してほしいところです。

 値段も高くないので、バッキー好きの方には超おススメでした!!

 

 

ウィンターソルジャー:セカンド・チャンス

ウィンターソルジャー:セカンド・チャンス

  • 作者:カイル・ヒギンズ
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2019/11/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)