【アメコミ感想】シークレット・ウォーズ
あらすじ
無限に拡がるマルチバースは、果てしない〈インカージョン〉現象の末、アース-616とアース-1610のわずか二つを残すのみとなった。
二つの地球が生存を賭けて激突する一方、マルチバースの終焉を招いた〈ビヨンダーズ〉を阻止すべく孤独な戦いを続けてきたDr.ドゥームにも試練の時が迫る。
マーベルユニバース、アルティメットユニバース、二つの宇宙が終焉を迎えた先に待つ、新たな世界〈バトルワールド〉。この驚異の世界でヒーロー達を待ち受ける運命とは……。
ジョナサン・ヒックマンが贈る壮大なる叙事詩の最終章にして、マーベル史上屈指のクロスオーバー超大作、ついに登場!
本書より引用
概要
こんちは!Shoindyです!遂に、遂にここまでやってきました。長きに渡って展開され続けてきたインカージョン現象の行きつく先、その最終地点である「シークレット・ウォーズ」です。前三か月で展開されていた「タイムズ・ランズ・アウト」シリーズの直後からのスタートです。
前作の展開の詳細はリンクを見ていただきたいと思います。
遂に訪れた崩壊。そして…
さて、前回インカージョン発生の直前で終了しただけあって、今回はインカージョン発生からのスタートです。二つのアースで勃発する戦いは正に総力戦。コロッサスがハルクを投げとばし、サイクロップスは卵になったフェニックスを再び目覚めさせます。しかし、実は今作の主題はそこではありません。この戦いには意味などなく、崩壊は免れません。では、この戦いの主は何なのか?それは両アースのリード・リチャーズが互いに作った”救命艇”にあるのです。
”勝つのではなく、負けないこと”、その為に、アース-616のリードは有能な人物を集め、アース-0616のリード(以降メイカー)はカバルを船に乗せます。しかし、リードの救命艇は破損、子供を含めたF4全員を失います。
そして、世界は崩壊を迎えます。
そして訪れる、新たな世界「バトルワールド」
実は、上述した展開はあくまで”プロローグ”です。そう、ここまで引っ張ったインカージョンがプロローグなのです。
本編はインカージョンの8年後からスタートします。そこには国などなく、大きな大陸を各領主が支配しています。いくつものソーが世界を警備し、壁を隔てた先にはゾンビがはびこります…その世界の名は「バトルワールド」。Dr.ドゥームが”神”であり”皇帝”である世界です。
インカージョンの直前、ドゥームはあらゆる次元のモレキュールマンを集めて作った爆弾で、全ての元凶「ビヨンダー」を倒して能力を奪いました。そして、その力をもってバラバラになった世界をつなぎ合わせ、一つの世界を作り上げました。ストレンジと共に記憶を捏造し、混乱を防ぎ、新たな神となったのです。また、その際にF4のメンバーも拾っており、ヴァレリア(リードの娘)、フランクリン(息子)、スーザン(妻)はリードの枠(父または夫)をドゥームだったと記憶を改ざんされています。一応混乱を防ぐためとはいえ、個人的な恨みも混ざってそうですよね。そしてシングはゾンビのはびこる世界に作られた壁と混ぜられ、トーチは太陽にされています。だからバトルワールドは太陽が回転している世界。
そして、世界は再び戦乱へ
8年間、世界は実力がモノを言う世界でありながらも、秩序を保っていました。しかし、ソーの一人が”救命艇”を見つけたことで、世界は再び動き始めます。そこから出てきたのは、インカージョンの記憶がある”ヒーロー達”。リードを始めとするヒーローがバトルワールドにやってきたことで、世界を元に戻そうとする動きが動き始めます。もはやカバルであるかどうかや、アースの隔たりすらも超えた勢力と、全てを手にしたドゥームの戦いが幕を開けます。
ちなみに、救命艇自体は5年後に発見されていたらしいです。ただストレンジは神の作り上げた世界を守るため、開けようとしなかったとのこと(元々開けるのが難解な様子)。なお、救命艇から出てきたのはリード、スパイダーマン、キャプテン・マーベル、スターロード(と彼が必死に守り抜いたグルートの小枝)、ブラックパンサー、サイクロップス(フェニックス)、ソー(ジェーン)です。一方でメイカーの方にはカバル+間違えて忍び込んだマイルス。
感想
正直、シークレット・ウォーズというタイトルや、表紙絵などからももっとインカージョンのバトルがメインと想像していただけあって、バトルワールドでの物語が舞台となっていたのは非常に予想外でした。
しかし、そんな予想外の状態でありながらも非常に面白く、見ごたえが尋常じゃなかったです。リードvsDr.ドゥームという昔ながらの構図を踏襲しながらも、ドゥームの王としてのカリスマを残し、決してヒーローvsヴィランではないのが素晴らしかったです。SBRのヴァレンタイン大統領的な立場ですね。いや、違うな。正解はドゥームではあるのですが、ドゥームの力をリードが持てればもっと良い方向に導けた、というのが正解ですね。それが面白いんですよ。正義の反対は別の正義ではなく、ほぼ同じ方向っていうのがね。そんなこんなでShoindyは絶賛ドゥームにはまっております。待ち受けもスコッティ・ヤング氏のドゥーム。
また、シークレット・ウォーズ以降、チャンピオンズなどでマイルス君が世界にいたこともあり、自分の中では混ざり合った世界が残り続けるのだと思ってました。いやー、まさかハンバーガーが原因だったなんて。分かるか。
まとめ
上述した通り、予想外でありながらも非常に楽しめることが出来た本作、丁度80周年記念で、ファンタスティック・フォーの話題が多かったので、面白さも倍増でした。マベストも今F4なんすよ。もちろん、これで終わりではないので、このままシビル・ウォーⅡなども読める日が来ることが楽しみでしかたがありません。個人的にはチャンピオンズがめっちゃ読みたいんですよね。でもチャンピオンズを出すにはシビルをしてくれないとね。
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